哺乳瓶の種類と選び方について、医師が解説します。
しかし、最近、哺乳瓶に含まれるプラスチックの一種が、発育中の赤ちゃんに有害な変化を引き起こす可能性があるという報告があり、親たちは、昔ながらのガラス製も悪くないのではないかと考えるようになりました。最近では、その両方を兼ね備えたハイブリッドタイプの哺乳瓶も販売されています。
ここでは、哺乳瓶について、また哺乳瓶の選び方、安全で効果的な使用方法についてご紹介します。
哺乳瓶の心配事
深夜の授乳中に哺乳瓶を床に落としてしまうと、部屋中がガラスの破片だらけになり、片付けが大変です。また、ガラスは重くて扱いにくいという問題もあります。一方、ガラス製の哺乳瓶は丈夫で、粉ミルクに混入する可能性のある化学物質を含んでいません。
プラスチック製の哺乳瓶は、軽くて丈夫、そして壊れにくいという特長があります。2012年、FDAは哺乳瓶とシッピーカップの製造にビスフェノールAを使用することを禁じました。ポリカーボネート樹脂に含まれるこの化学物質が、特定のがん、脳や生殖器官の変化、思春期の早まりなどにつながることが懸念されたからです。現在、米国で販売されているすべての哺乳瓶とシッピーカップはBPAフリーとなっています。
2013年、FDAは粉ミルク缶の内張りにビスフェノールA系エポキシ樹脂の使用を廃止する食品添加物改正を支持しました。メーカーはそれらの製品でのBPAの使用を断念していたため、この動きは大きく支持されました。
最近では、内側に化学物質が粉ミルクに触れないようにガラスライナーを使用し、外側は割れないようにプラスチックを使用したハイブリッドボトルも販売されています。
哺乳瓶の選び方
哺乳瓶には基本的に、プラスチック製、使い捨てライナー付きプラスチック製、ガラスライナー付きプラスチック製、オールガラス製の4種類がありますね。
BPAが禁止されたことで、有害な化学物質を含まない新しいプラスチック製哺乳瓶を安心して購入することができます。もし、家族から譲り受けたものなど、古いペットボトルを使っている場合は、底にあるリサイクルマークをチェックしてみてください。7のマークやPC(ポリカーボネートの略)という表示があるものは、BPAが含まれている可能性が高いというサインです。1、2、4はポリエチレン製、5はポリプロピレン製のボトルです。どちらの哺乳瓶もBPAは含まれていませんので、安心してお使いいただけます。
使い捨ての哺乳瓶用ライナーも通常BPAフリーです(ラベルに「BPA-free」と記載されているものを探してください)。ただし、哺乳瓶だけよりも、授乳のたびに交換する必要があるため、価格が高くなる傾向があります。
プラスチック製の哺乳瓶の中には、内側にガラスのライナーがあり、粉ミルクと化学物質が接触するのを防ぎ、外側はプラスチックなので割れないようになっているものもあります。
ガラス瓶に挑戦したいけど、割れるのが心配という方には、瓶に被せて保護するシリコン製のスリーブを作っている会社もあります。
哺乳瓶のお手入れについて
お子様の哺乳瓶のお手入れ方法をご紹介します。
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母乳やミルクをペットボトルで保存しない。赤ちゃんが食べる直前に哺乳瓶に注ぎましょう。残ったものは捨ててください。
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ポリカーボネート製の哺乳瓶には、熱いお湯や刺激の強い洗浄剤を使わないでください。その代わりに、優しい洗浄剤とぬるま湯を使用してください。
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ガラス瓶にひびや欠けがある場合は、交換しましょう。