エストロゲン、インスリン、甲状腺ホルモンなどのホルモンが、ドライアイに関与している理由をご紹介します。
甲状腺ホルモン、インスリン、エストロゲンなどの性ホルモンがその主なものです。ホルモン問題の治療を受ければ、ドライアイも少しは改善されるでしょう。
性ホルモンについて
女性であれば、特に年齢を重ねるごとにドライアイになりやすくなります。それは、エストロゲンをはじめとする性ホルモンの濃度が、生涯にわたって大きく変化するためです。
例えば、更年期を迎えると、ドライアイになる確率が高くなります。この時期は、エストロゲンを中心としたホルモンのレベルが上がったり下がったりする時期です。
妊娠している場合も、ホルモンの変化でドライアイになりやすくなります。また、避妊薬を服用し、コンタクトレンズを使用している女性も同様です。
また、毎月の生理中にドライアイになる女性もいます。
専門家は、ホルモンの変化がドライアイにどのように影響するかについて、正確には分かっていません。更年期症状のためのホルモン補充療法(HRT)がドライアイを悪化させるという研究もありますが、逆にドライアイを改善させるという研究結果もあります。エストロゲンのみを摂取している女性はドライアイになりやすく、エストロゲンとプロゲステロン(別の女性ホルモン)を組み合わせて摂取している女性はドライアイになりにくいようです。
また、ドライアイは、男性ホルモンであるアンドロゲン(テストステロンなど、男女ともに作られる男性ホルモン)によっても良くなったり悪くなったりします。例えば、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性は、ドライアイになることがよくあります。この病気は、アンドロゲンが多すぎるために、嚢胞や排卵障害を引き起こします。
男性でも女性でも、アンドロゲンレベルの低下は、涙や目の表面を湿らせておく油膜を作る特定の腺の働きに影響を与える可能性があります。
甲状腺ホルモン
首の甲状腺で作られる甲状腺ホルモンの濃度変化も、ドライアイの原因になります。この変化は、甲状腺に関連する自己免疫疾患によるものである可能性があります。この病気は、免疫システムが甲状腺を敵だと勘違いして攻撃してしまうものです。
例えば、バセドウ病は自己免疫疾患のひとつで、初期には甲状腺の数値が高いのですが、時間が経ったり、治療後に甲状腺の数値が低くなったりすることがあります。バセドウ病の人は、まぶたが閉じにくく、まばたきの回数が少なく、また涙の量を保つことができないことがあります。実際に目が前に膨らんでしまうこともあります。これらの問題はすべて、ドライアイにつながる可能性があります。
橋本病は、甲状腺レベルの低下とドライアイを引き起こす、もうひとつの自己免疫疾患です。
インスリン
1型または2型の糖尿病を患っている場合も、ドライアイになる可能性が高いです。その理由は、インスリンの量と関係がありそうです。
インスリンのレベルが低いと、涙腺が涙を作るのが難しくなります。インスリンの服用は、これらの問題のいくつかを逆転させるかもしれません。