肘関節脱臼の症状・原因・治療法

肘関節脱臼は、前腕の骨(橈骨と尺骨)が上腕の骨(上腕骨)と比べてずれて動くことで起こります。

肘関節脱臼は、前腕の骨(橈骨と尺骨)が上腕の骨(上腕骨)に対してずれてしまうことで起こります。この3つの骨が合わさる肘関節が脱臼することで、関節が外れてしまうのです。

具体的には、骨折(腕の骨が折れること)、腕の動脈(手に血液を送る血管)の損傷、肘の周辺を通る神経の損傷などが起こり、腕や手の動きや感覚が損なわれる重傷となる可能性があります。

肘関節脱臼の原因

肘関節脱臼の原因は、通常、腕を全部出した状態での転倒が最も多いようです。しかし、どんな外傷(交通事故など)でも肘関節脱臼になる可能性があります。

肘関節脱臼の症状

肘の激痛、腫れ、腕が曲がらないなどの症状は、すべて肘関節脱臼のサインです。

場合によっては、手の感覚がなくなったり、脈がなくなったり(手首に心拍が感じられなくなる)することもあります。肘のそばには動脈や神経が通っているので、脱臼したときにそれらを傷つけてしまった可能性もあります。

医療機関を受診するタイミング

肘が動かない、痛みがひどい、手の感覚がない、手首に脈がないなどの症状がある場合は、すぐに医院や病院の救急外来を受診してください。

検査とテスト

医師はまず診察から始めます。

  • 医師は、脈拍を確認し、感覚が正常か、指や手首が動くか、手に血液が正常に流れているかなど、神経や動脈に異常がないかを確認します。

  • 次に、医師はレントゲンを撮ります。骨折が脱臼のように見えることもありますし、脱臼したときに起こる骨折もあります。

  • 医師が動脈の損傷を疑った場合、動脈造影(動脈のX線検査)など、さらなる検査が行われることもあります。

肘関節脱臼の治療 自宅でできるセルフケア

肘の脱臼は、医療処置が必要な重傷です。自宅では、肘に氷を当てます。そうすることで、痛みを和らげ、腫れをある程度抑えることができます。しかし、最も重要なことは、医師の診察を受けることです。

この怪我は、医師の診断を受けるのが一番ですが、自宅で、腕の動脈や神経に異常がないかどうか、いくつかの兆候を確認することもできます。

  • 動脈を確認するには、手首の付け根の親指の下を触ってみてください。脈を感じることができるはずです。指の先を押してみてください。白っぽくなり、3秒以内に正常なピンク色に戻るはずです。これらの検査のいずれかに異常がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 肘のそばには3つの神経が走っています。それぞれの神経には、力と感覚に役立つ部分があります。まず、手首を「ストップ」と言うように曲げて力が入るかどうか(橈骨神経の働き)、次に指を広げてみて(尺骨神経の働き)、親指と小指を触ってみて(正中神経の働き)、チェックしてみましょう。これらの検査で問題がある場合は、すぐに医師のもとへ行きましょう。

  • 手や腕のあちこちを触って、感覚の有無を確認します。その結果、しびれるような感覚があれば、すぐに受診してください。

医療処置

医師は、手首を引き下げ、肘をテコの原理で元の位置に戻して、肘を縮小(元の位置に戻す)します。この作業はとても痛いので、縮小前に強力な痛み止めの薬を投与することもあります。

肘を元の位置に戻した後、医師はレントゲンを撮り、肘を曲げたままにするスプリント(副木)を装着します。スプリントは、肘の後ろ側にL字型に貼ります。それは石膏またはガラス繊維で作られます。その目的は、肘の部分で腕が動くのを防ぐことです。通常、腕はスリングに入れられ、スプリントを保持するのに役立ちます。

次のステップ フォローアップ

診察室から帰宅後、骨の専門医(整形外科医)のもとで経過を見るように指示されます。

スプリントを装着してください。肘を動かさないようにします。肘はなるべく高くして、氷で冷やし、腫れを抑えます。

予防法

伸ばした腕の上で転ばないようにする。転倒しやすい状況(夜間の歩行や滑りやすい床面など)を避ける。

展望

一般に、このケガはよく治ります。3~5日ほど様子を見た後、骨の専門医が肘を優しく動かす運動を始めさせます。通常、後遺症なく回復します。

同義語・キーワード

肘関節脱臼、肘関節

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