前がん病変の一種である「紅板症」と「白板症」についてご紹介します。
白板症病変
白板症という言葉は、"白斑 "という意味です。口やのどにある白っぽい、あるいは灰色っぽい外観で、けがや感染症など他のものと容易に識別できない病変のことを指します。皮膚の上に少し厚くなった部分のように見える傾向があり、タコと似ています。医師や歯科医師が検査中にそっとこすりつけても、取り除くことはできません。
紅斑病変(こうはんびょうへん
赤斑病とは、「赤い斑点」という意味で、他に明らかな原因がなく、赤みを帯びた病変を指します。口やのどにできます。扁平でビロードのような質感を持つことが多い。白い斑点があることもあります。出血しやすいものもあります。医師や歯科医師が削って取り除くことはできません。
白板症・紅板症の症状とは?
多くの場合、紅板症や白板症は目立った症状が出ません。定期検診で歯科医師に発見されるまで、病変があることに気づかないこともあります。また、歯磨きやフロスの使用中に気づくこともあります。
声帯に病変が発生することもあります。これは、顕著な声の変化をもたらすことがあります。原因不明の嗄れ声や、完全に声が出なくなることもあります。症状は時間の経過とともに悪化することがあります。
白板症や紅板症の原因は?
口やのどにできる病変の多くは、敏感な組織への刺激によって起こります。アルコールやタバコの多飲は、白板症や紅板症の原因としてよく知られています。歯列矯正や入れ歯などの歯科器具による物理的な刺激も、病変の原因となることがあります。その他、原因がはっきりしない病変もあります。
また、白板症や紅板症が癌の証拠である場合もあります。病変にはがん細胞が含まれていることがあります。また、異形成と呼ばれる前がん異常を持つ細胞が含まれている場合もあります。これらの細胞は、後に癌に発展する可能性があります。
紅板症と白板症の発がんリスクは?
紅板症や白板症がある場合、まず医師は病変が自然に治るかどうか待つことを勧めるかもしれません。もし、数週間以内に治らないようであれば、医師は検査をする必要があります。この検査では、病変が癌であるかどうか、あるいは将来癌になる可能性があるかどうかを判断します。
医師は、病変の生検を行う必要があります。病巣から細胞のサンプルを採取し、分析のために送ります。病理医が、その中に癌細胞や前癌細胞が含まれているかどうかを調べます。
白板症病変は通常、癌化することはありません。白板症病変のうち、がんや前がん病変の兆候を示すものは約20%にすぎません。がんや異形成のリスクは、病変が口腔内の他の場所ではなく、舌の下にある場合に高くなります。
紅板状病変は、頻度はかなり低いものの、がんまたは前がんである可能性が高くなります。これらの病変の90%以上は前癌状態か癌状態です。
たとえ病変に異常な細胞があったとしても、それが必ずがんになるとは限りません。異常な細胞があっても、決して悪性化しない病変もあります。
白板症や紅板症の治療法は?
病変があっても症状がなく、がんの兆候もない場合は、治療の必要がないこともあります。もし、医師がアルコールやタバコの使用が原因と疑っている場合は、それらの使用を中止し、病変が自然に治るかどうかを確認することを勧めるかもしれません。
病変が不快感を与えていたり、声に影響を及ぼしている場合は、病変を除去することができます。医師は診察室でレーザー除去技術を用いて病変を除去することができます。場合によっては、病巣を除去するために手術が必要です。病巣が前癌状態である場合、癌になるのを防ぐために、医師は病巣を取り除くことを勧めるかもしれません。
癌と診断された場合、医師は治療法について相談します。がんが体内の他の場所に広がっているかどうかを判断するために、追加の検査が必要な場合もあります。医師は、がん細胞のサンプルを送ってゲノム検査を行い、どのような種類のがんであるかを特定し、最適な治療が行えるようにするかもしれません。
口や喉のがんの治療には、病変や腫瘍を取り除くための手術が必要となることが多いです。また、放射線療法、化学療法、免疫療法が必要になることもあります。最も効果的な治療計画を立てるために、担当医がお手伝いします。
口や喉に原因不明の病変がある場合は、担当の医師に連絡してください。どのような検査や治療が必要なのか、医師が判断してくれます。