前立腺生検とは、医師が前立腺から小さな組織の サンプルを採取して、がんがあるかどうかを調べるこ とです。スクリーニング検査(血液検査または直腸指診)の結果、 前立腺癌の可能性があることが判明した場合、医師は生検を命じ ます。
この種のがんは非常によく見られます。今年、推定174,000人の男性がこの癌と診断され、約31,000人がこの癌で死亡すると言われています。しかし、ほとんどの男性にとって、前立腺がんは問題を起こさないか、簡単に治療できることが多いのです。前立腺癌の診断は、生検を行わないとできません。
前立腺の働きとは?
前立腺は膀胱の下、直腸の手前にあります。前立腺はクルミのような形をした腺で、尿道の一部を取り囲んでいます。(尿道は、ペニスからおしっこや精液を出すための管です。) その働きは以下の通りです。
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睾丸で作られた精子を含む精液を生成する。
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射精の際に尿を含ませないようにする。
大きくなりすぎると、前立腺がおしっこを尿道からペニスの外に出すのを邪魔してしまうことがあります。
生検はいつ必要ですか?
血液検査で前立腺特異抗原(PSA)値が上昇した場合や、直腸指診で異常なしこりが見つかった場合、医師は生検を指示することがあります。直腸指診では、医師がお尻から指を挿入し、前立腺の腫 大や隆起を確認します。生検の前に行うもう一つの方法は、超音波検査です。指の代わりに小さなプローブを挿入して、前立腺の写 真を撮ります。
MRIガイド下前立腺生検は、PSA値が上昇し、超音波ガイド下生 検が陰性であった患者さんに使用されることがあります。また、PSA値が上昇したために実施した診断用前立腺MRIで、 超音波では検出が困難な非常に小さな異常が検出された場合 にも使用されます。生検のガイドとしてMRI画像を用いることで、治療が必要な前立腺腫瘍の検出能力を向上させることができる。
生検の手順
前立腺生検を行うことを医師が決定したら、10分程度の簡単な処置で終了します。直腸の壁から前立腺に針を刺し、検査用の細胞を採取します。これが経直腸生検です。医師は通常、前立腺の様々な部位から12個のサンプルを採取 します。場合によっては、陰嚢と肛門の間の皮膚から針を刺し て生検を行うこともあります。医師は、これを経会陰生検と呼びます。
このような処置を考えると、男性は不安になりますし、痛そうです。しかし、通常、生検は短時間の不快感を与えるだけです。おしっこに血が混じるかもしれませんし、お尻から軽い出血があるかもしれません。また、精液に血が混じることもあります。これは数週間続くことがあります。
サンプルは研究所に送られ、顕微鏡で観察されます。結果が出るまで3日ほどかかります。癌がある場合、グリソンスコアと呼ばれるものが与えられます。スコアが高いほど、がんが急速に成長し、広がる可能性が高く、より積極的に治療されるべきです。
生検では前立腺の癌の部分を見落とすことがあるので、念のため再検査を行うこともあります。
治療法の選択
がんが広がっていない場合は、前立腺とその周辺の組織を切除する手術が一般的です。
その他の治療法としては
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放射線治療
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凍結療法(極低温でがん細胞を凍結させる方法)
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ホルモン療法
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化学療法
この病気では、定期的な血液検査や直腸診、場合によっては生検を行い、経過を見守る必要があります。がんが悪化した場合は、医師と治療法について話し合うことになります。