季節が変わると、関節リウマチ(RA)も変わるかもしれません。人それぞれですが、RAの患者さんの中には、季節の移り変わりとともに、症状も変化することに気づく人もいます。
秋はRAにとってスイートスポットであり、冬と春は最も困難な季節であるという研究結果があります。最近の研究では、特に寒い季節には湿度が痛みを悪化させることがわかりました。また、晴天で乾燥した日には、痛みや関節の腫れが少なくなるという研究結果もあります。
なぜ起こるのか
季節の変化がなぜRAに影響を与えるのか、専門家の間でもよく分かっていませんが、気圧の変化と関係があるのかもしれません。
気圧の変化は腱や筋肉、瘢痕組織を膨張・収縮させ、それが痛みにつながる可能性があります。雨や雪が降ると、気圧が下がり、関節の中の液体が濃くなることがあります。その結果、関節が硬くなり、痛みに対してより敏感になる可能性があります。
また、気分も関係することがあります。暖かく晴れた日は、気分が高揚します。心と身体は繋がっていますから、身体も元気になるかもしれません。
どうすればいいのか
気候の異なる土地に引っ越す必要はありません。ちょっとした工夫で、季節の変わり目を上手に乗り切ることができます。
運動する
RA の痛みを和らげ、こわばりを抑え、柔軟性と可動域を改善 するには、体を動かすことが効果的であることが証明されて います。また、筋肉や骨を丈夫にすることで、関節への負担を軽減し、怪我を予防することができます。さらに、気分転換や疲労回復にも効果があります。
ウォーキング、サイクリング、水中エアロビクス、ダンスなど、関節にやさしい運動を心がけましょう。運動の前に軽くストレッチをしましょう。
悪天候にも負けず、体を動かしましょう。ソファでくつろぎたくなるかも知れませんが、アクティブに過ごすことが大切です。運動不足は RA の症状を悪化させる可能性があ ります。
寒い日や湿気の多い日は、室内で の活動に切り替えましょう。近所のショッピングモールを歩いてみる。屋内プールのあるジムを探す。ヨガやエアロビクスのクラスを受講する。
一日中体を動かす
一日中、少しずつ動いて、関節を緩めましょう。エレベーターを使わず、階段を使う。掃除機をかけるなど、家事をしながら体を動かす。音楽を聴いたり、ダンスをしたりする。テレビを見ながらストレッチや簡単な体操をする。
暖かい服装をする
暖かくすることで、凝りをほぐすことができます。寒い日には、手足や頭など体温が逃げやすい部分を温めるようにしましょう。
暖かく過ごすには、服装を工夫しましょう。
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帽子
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スカーフ
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手袋またはミトン
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暖かい靴下
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防水ブーツ
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体温を逃がさないゆったりとした重ね着
帽子
暑い日は、室内にいるようにしましょう。エアコンを使って暑さと湿度を相殺する。ゆったりとした重ね着をする。綿、麻、シルクなどの天然素材を選びましょう。体から汗が蒸発しやすく、涼しく過ごせます。
気分を高める
気分は体調に大きく影響します。暗くて陰気な日は、悲しい気分になったり、元気がなくなったりすることがあります。悪天候で気分が悪くなると、痛みもひどくなることがあります。
臨床的なうつ病や季節性情動障害(SAD:晩秋や初冬に発症し、春や夏になると治るタイプのうつ病)の場合は、さらに困難です。
気分を良くするための工夫をしましょう。体を動かす。散歩をする。よく食べる。社交的になる。友達に電話する。地域社会に参加する。前向きな姿勢でいる。
必要であれば、助けを求める。不幸せ、ストレス、不安などの感情がある場合は、医師に相談する。
良いライフスタイルを選択する
健康を維持することで、問題を回避することができます。よく食べる。健康的な食品を選ぶ。十分な睡眠をとる。水をたくさん飲んで、水分を保つ。カフェインやアルコールは、脱水症状を引き起こす可能性があるので、控えるようにしましょう。