また、耳介ヘルペスによって顔の筋肉が麻痺する場合をラムジーハント症候群(RHS)と呼びます。
水疱瘡にかかったことのある人なら誰でもかかる可能性がありますが、60歳以上の人がよくかかると言われています。
症状について
RHSでは、片方の耳の中や周辺に液体が入った水疱ができ、痛みを伴う発疹が出ることが多いです。また、口やのどに水疱ができることもあります。通常の帯状疱疹も水疱性発疹を起こしますが、顔ではなく胴体の小さな帯状に発疹が出るのが普通です。
神経が冒されるため、通常、顔の筋肉が弱くなります。笑顔が作れなくなったり、片方の目を完全につぶることができなくなったりします。まれに、顔の片側の筋肉をまったく動かせなくなることもあります。
その他の一般的な症状は以下の通りです。
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発疹が出る前に始まることもある耳の痛み。
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難聴
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耳鳴り
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めまい
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吐き気・嘔吐
原因
水痘(水ぼうそう)の原因となるウイルスは、神経の集団の中で冬眠しています。冬眠しているウイルスは、ずっとそこにいて、二度と問題を起こさないこともあれば、「目覚め」て、体内のいずれかの神経に新しい感染を起こすこともあります。顔にある耳に行く神経に感染すると、耳珠状ヘルペスと呼ばれます。
ほとんどの場合、ウイルスが「再活性化」する理由はないようです。水疱瘡のときと違って、帯状疱疹にかかった人はまたかかる可能性があります。
伝染するのか?
罹患している人からRHSをもらうことはできません。しかし、水疱の中には生きた水痘帯状疱疹ウイルスが含まれています。ですから、新生児や水痘にかかったことのない人、水痘ワクチンを接種していない人でも、RHSの人から水痘をうつされる可能性があります。
診断と治療
RHSかもしれないと思ったら、すぐに医師の診断を受け、迅速に治療を開始することが必要です。医師は通常、症状についての問診と診察で診断します。しかし、確認のために水ぶくれの液体を少し検査することを望む場合もあります。
早期に治療を開始すれば、アシクロビルのような抗ウイルス剤によって、早く良くなる可能性があります。また、医師は痛み止めやコルチコステロイドを処方して、より快適に過ごせるようにし、炎症を抑えることもできます。
感染症は通常2週間ほどで治ります。発疹が消えた後も、RHSによる神経痛がある人もいます。まれに、顔の神経の圧迫を和らげるために手術が必要になることがあります。