ナルコレプシーと慢性疲労症候群(CFS)には、同じような症状が多くみられます。医師は、一方を他方と間違えることがあります。また、多くの人が両疾患を併発しています。しかし、ナルコレプシーとCFSの治療法や合併症は異なることがあるため、正しい診断を受けることが重要です。
これらの疾患について
ナルコレプシーは、睡眠と覚醒のサイクルを乱す慢性的な睡眠障害です。この病気にかかってしまうと、何をしていても、長時間起きていることが難しくなります。他の誰かに話している間、または食べている間、眠りに落ちることができます。
ナルコレプシーの原因は不明ですが、いくつかの説があります。
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遺伝子が関与している可能性があります。
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睡眠と覚醒のタイミングを判断する脳内物質が減少している可能性があります。
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免疫システムが、誤って脳の神経細胞を攻撃している可能性があります。
現在では筋痛性脳脊髄炎と呼ばれることもあるCFSも、疲れやすくなりますが、その方法は全く異なります。CFSは、極度の疲労が6ヶ月以上続き、他の健康問 題の症状ではない場合、発症する。
ナルコレプシーと同様に、CFSの原因も、専門家によ っては、はっきりとしたことは分かっていない。その原因は、以下の通りである。
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ウイルス
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免疫システムの問題
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ホルモンのバランスの乱れ
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身体的・精神的なトラウマ
これらの疾患は、誰でも1つまたは2つ以上持つことができる。女性ではCFSの可能性が高く、男性ではナルコレプシーの可能性が若干高くなります。
似ている症状、異なる症状
CFSとナルコレプシーには、以下のような共通した症状があります。
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日中に強い疲労感を感じる
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集中できない
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寝ても寝てもスッキリしない
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寝つきが悪い
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夜中に何度も目が覚める
また、それぞれ特有の症状もあります。
例えば、ナルコレプシーの場合、以下のようなものがあります。
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いつでも起こる突然の睡眠発作
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幻覚(ありもしないものが見える)
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短時間のうちに筋肉が弱くなる
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睡眠麻痺(入眠時や起床時に体が動かなくなること)
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悪夢
CFSには、以下のような独特の症状がある。
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運動や精神的な挑戦をした後、より疲れを感じる。
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頭痛がする
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記憶力に問題がある
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横になってからめまいがする
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他に原因のない深い筋肉痛や関節痛
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首や脇の下のリンパ節が腫れている
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喉の痛み
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心拍が速い、または不規則
ナルコレプシーとCFSの合併症
ナルコレプシーとCFSは、治療せずに放置すると、 日常生活に影響を与える。好きなことができなくなったり、働くこと が困難になったりする。やがて、他人から離れ、うつ病になる可能性もあ る。
また、ナルコレプシーは、自分自身や他人を傷つける危険性を高める可能性があります。例えば、車の運転中に居眠りをしてしまうことがあります。
正しい診断を受けるために
CFSとナルコレプシーは非常によく似ているた め、医師は、症状を聞いただけでは診断を下すこと ができない場合がある。睡眠検査により、ナルコレプシーかどうか を確認することができるが、1つの検査でCFSかど うかを判断することはできない。医師は、まず、他の疾患を除外するために、 血液検査や尿検査をおこなう必要がある。
治療法
ナルコレプシーもCFSも治療法がないわけでは ないが、様々な治療法により、症状を抑えること ができる。例えば、ナルコレプシーの治療薬は、睡眠発作の回 数を減らすのに有効である。また、筋肉の制御が効かなくなるのを防ぐこともできる。
CFSの場合、医師は、関節や筋肉の痛み、めまい、うつ病などの問題を解決するために、市販の製品を勧めたり、薬を処方したりすることがあります。
ナルコレプシー、CFS、またはその両方の症状への対 処は、困難な場合がある。医師は、日々の生活習慣の改善やストレスの管理方法などについてもアドバイスしてくれます。