甲状腺の仕事は、体がエネルギーを使い、体を温め、血圧と心拍数をコントロールするのに役立つホルモンを作ることです。がんは、甲状腺の健康な細胞が変化し、制御不能に成長したときに起こります。
米国で最も多いがんのうち、甲状腺がんは女性の間で5位にランクされていますが、これほど早く診断されるがんは他にはありません。その理由のひとつは、検査方法の改善でしょう。以前は小さすぎて見えなかった甲状腺の腫瘍を、医師が発見できるようになったのです。
甲状腺癌は治療で治ることがほとんどです。専門家は、何が原因かは必ずしもわかっていませんが、いくつかの事柄が癌になる可能性を高めることは知っています。
性別と年齢
女性は男性より3倍甲状腺がんになりやすいと言われています。どの年齢でもかかる可能性があります。しかし、女性は40代、50代で診断されることが多いようです。男性は60代、70代と高齢になってから発症することが多いようです。また、男性の場合、甲状腺がんはより早く成長し、広がります。
放射線被曝
リンパ腫などいくつかの癌で放射線治療を受けた子どもは、甲状腺癌になる確率が高くなります。子どもに比べ、放射線に被ばくした大人は、かかる確率が低くなります。
遺伝と遺伝学
母親、父親、兄弟、姉妹、子どもが甲状腺がんになった場合、かかる確率が高くなります。
また、甲状腺がんはある種の遺伝子や遺伝性の問題と関係していることがあります。そのうちの1つは、大腸にポリープという余分な組織ができるもので、家族性腺腫性ポリポージスと呼ばれています。これがあると、甲状腺がんなど、ある種のがんにかかる可能性が高くなります。
甲状腺がんのリスクを高める他の遺伝的問題には、次のようなものがあります。
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家族性甲状腺髄様癌(Familial medullary thyroid cancer
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多発性内分泌腫瘍2型
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カウデン病
ヨウ素が不足している
ヨウ素は、いくつかの食品に含まれるミネラルです。甲状腺ホルモンを作るために必要です。甲状腺がんは、ヨウ素が少ない地域で多くみられます。米国を含むいくつかの国では、ヨウ素を食卓塩やその他の食品に添加し、摂取を促しています。