胎盤は、妊娠すると子宮の中にできる臓器です。成長する胎児に酸素や栄養を供給したり、子どもの血液中の老廃物を排出したりと、重要な役割を担っています。今回は、前置胎盤の原因や診断、治療法について探っていきます。
前置胎盤って何?
胎盤は、妊娠中に特別に形成される臓器です。胎盤は、受精卵が子宮壁にくっつく位置で成長を始め、そこから子供のへその緒が出てきます。胎盤の位置には、以下のようなものが考えられます。
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前置胎盤です。子宮の前壁
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後置胎盤(こうちたいばん) 子宮の後壁
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胎盤の底部。子宮の上部にある
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側方胎盤(そくほうたいばん) 子宮の左側または右側の壁
前置胎盤とは、胎盤が子宮の前方、お腹の近くに生えている状態のことです。胎盤は子宮のどこにでもできるため、この状態は珍しくなく、通常、妊娠18~21週ごろに超音波検査で発見されます。胎盤の主な役割は、あなたの体内から栄養と酸素を吸収し、へその緒を通して成長する胎児に運ぶことです。また、胎児の血液に含まれる有害な老廃物や二酸化炭素を排出する働きもあります。つまり、胎盤は赤ちゃんが生まれるまで、赤ちゃんの腎臓、肝臓、肺の役割を担っているのです。
胎盤は妊娠32週までは子宮の中で動くことができますが、それ以降は動きません。多くの場合、胎盤は赤ちゃんの成長とともに子宮頸部(子宮の底にある)から離れ、上に向かって移動していきます。前置胎盤は通常、あなたやあなたのお子さんの健康上の問題につながることはなく、ほとんどの状況で、何の影響も感じません。
前置胎盤の症状
通常、前置胎盤は心配する必要はなく、妊娠や出産に支障をきたすことはありません。しかし、自分が前置胎盤かどうかを知っておくことは良いことです。前置胎盤の一般的な兆候として、以下のようなものがあります。
子供の心拍数 前置胎盤がある場合、医師はドップラーを使って子供の心拍を検出するのが難しいかもしれません。
子供の動き。通常であれば、妊娠18週目頃になると、子宮の中で赤ちゃんが動いているのを感じることができます。前置胎盤の場合、キックが感じられるのはそれ以降になり、またキックもそれほど強く感じられないことがあります。
前置胎盤の原因とリスク
受精卵が他の場所ではなく、子宮の前面に固定される理由は明確ではありません。しかし、前壁は卵子が付着するのに適した場所なのです。胎盤の位置は、胎児に栄養を供給する能力に影響を与えません。子宮前壁に位置する胎盤のリスクもありますが、必ずしもあなたやあなたのお子さんに害を与えるわけではありません。
陣痛が長くなる 胎盤が前方位にある場合、お子さんは後頭部後方位(OP)になりやすいと言われています。お子さんの頭は胎盤の中でまだ他の部分より低い位置にありますが、顔は背中の方ではなく前方に向いています。これでは、子どもが骨盤から入ってくるのが難しくなり、陣痛が長引く可能性があります。
OP位であれば、陣痛時に回転して、顔は下を向いたまま背中を向くようになるのが普通です。これを後頭部前方位(OA)といいます。
前置胎盤。この状態では、胎盤が子宮頸管と呼ばれる子宮の開口部を部分的または完全に覆っています。子宮頸管は、陣痛の際に赤ちゃんが出てくるための入り口です。前置胎盤は、およそ妊娠200件に1件の割合で発生します。多くの場合、胎盤は子宮の底にあり、赤ちゃんが成長するにつれて、上部に移動していきます。これは通常、妊娠第3期(妊娠27週目から末期まで)に起こります。
しかし、場合によっては胎盤が上に移動せず、子宮頸管をふさいでしまうことがあります。この場合、中等度または多量の膣内出血が起こり、他の合併症を引き起こす可能性があります。
帝王切開をする 胎盤が子宮頸管をふさいでしまうと、お子さんが膣から外に出てくることができなくなります。その場合は、外科的な分娩が必要になることがあります。
前置胎盤がある場合に知っておきたいこと
前置胎盤の治療法はありませんが、以下のような点を考慮しておくとよいでしょう。
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前置胎盤で一番つらいのは、子どもが蹴っているのを感じられないことです。特に初めての妊娠の場合は、お子さんの蹴りを顕著に感じられると思いますので、その点は注意が必要です。
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前置胎盤を避けるためにできる処置は特にありません。受精卵が子宮壁に固定されたところに生えるものです。
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妊娠が進むにつれて胎盤の位置が変わることがあります。胎盤が子宮頸部を覆っていなければ、前置胎盤かどうかを再度確認する必要はありません。
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前置胎盤があっても、子宮頸管を塞がない限り、正常な出産が期待できます。この場合、帝王切開になることがほとんどです。
前置胎盤と言われた方は、主治医に確認しましょう。
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