3万1,000年前の骨格が人類最古の切断例である可能性

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3万1000年前の骸骨は人類最古の切断者である可能性

ラルフ・エリス著

大紀元日本9月9日】ボルネオ島の洞窟で発見された3万1000年前の骸骨は、人類で外科的切断が行われた最古の証拠となるかもしれない。

ネイチャー誌に発表された研究によると、2020年にインドネシア・ボルネオ島の鍾乳洞「リャンテボ」で見つかった骸骨は、左足と左脚の一部が欠損していたという。

足の骨は、砕かれた骨とは異なり、きれいな切り口だったことから、研究者は「遠位脛骨と腓骨の軸の位置で意図的に外科的切断を行い」取り除いたと結論付けたと、ネイチャー誌は報じている。

感染症の兆候はなく、動物による攻撃は否定され、治療後に地域医療を受けたことが示された。手術はその人が子供の時に行われ、その後6年から9年、切断患者として生きることになる。

この発見により、科学者たちは、氷河期の終わりに人々が採集社会から農耕社会へと移行したときに医療知識が進歩したという考えを改めることになった。31,000年前にボルネオ島に住んでいた人々は、採食者であった。

オーストラリアのグリフィス大学のニュースリリースによれば、これまで切断の最古の証拠は、フランスで発見された7000年前の石器時代の農民の骸骨で、左前腕が肘より上で切断されていたという。(同大学は、インドネシアの考古学・言語・歴史センターと共同でこのプロジェクトに取り組んでいる)。

グリフィス大学の考古学者で、このプロジェクトの共同リーダーであるマキシム・オベール博士は、「ボルネオ島での新しい発見は、人間が農業を始め、定住するずっと以前から、病気や損傷を受けた手足をうまく切断する能力を持っていたということを示しています」とニュースリリースで述べている。

この発見は、「少なくとも熱帯アジアで採食する現代人の集団は、新石器時代の農耕への移行よりずっと前に、高度な医療知識と技術を身につけていた」ことを示唆している、とNature誌は報じている。

研究者らは、放射性同位元素年代測定法を用いて歯と埋蔵物を比較し、この骸骨が3万1000年前のものであることを突き止めた。この骸骨が発見された地域には、人類最古のロックアートが残されている。

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