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血液中のカリウムが多すぎる状態、高カリウム血症と呼ばれる状態は、突然起こることもあれば、腎臓病などの病気が進行しているために起こることもあります。しかし、高カリウム血症は心臓などにも影響を与えるので、治療することが大切なのです。
緊急時の治療法
このようなお薬があります。
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インスリンやブドウ糖の点滴
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カルシウム点滴静注
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重炭酸ソーダ静注
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アルブテロール吸入
これらの薬は、カリウムを血液から細胞へと移行させることにより、数分で効果を発揮し始めます。
血中カリウム濃度が非常に高い人は、特殊な機械を使って血液からカリウムをろ過する透析が必要になることもあります。
維持療法薬
高カリウム血症が危機的状況でない場合でも、カリウム値を下げる必要があります。
カリウムをゆっくり下げる薬には、次のようなものがあります。
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水薬(利尿剤):体内の余分な水分を排出し、尿からカリウムを排出します。
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カリウムを一時的に体細胞内に移動させる炭酸水素ナトリウム
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血中インスリン濃度を上昇させ、カリウムを体細胞内に移行させるアルブテロール
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ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ケイキサレート):カリウムが吸収される前に腸から排出される。
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腸内でカリウムと結合する「パティロマー(ベルタサ)」。
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腸内でカリウムと結合する「シクロケイ酸ジルコニウムナトリウム(ロケルマ)」。
他の薬の調整、食事
医師は、血中カリウム濃度を下げるために他の薬の服用を中止する必要があるかどうか、あるいは服用の量を調節する必要があるかどうかを調べます。これらの薬はカリウムの上昇を助長するため、このようなことが起こります。
これらの薬には、以下のものがあります。
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鎮痛剤のアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)。
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高血圧治療薬。 カリウム濃度をコントロールするホルモンを阻害するものがある。
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ハーブのサプリメント。カリウムの隠れた摂取源になりそうなものを医師に聞いてみましょう。
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カリウムのサプリメント
また、腎臓の働きが悪いと、食品に含まれるカリウムの摂りすぎで血液中の濃度が高くなることがあります。そこで、医師があなたの食べ物や飲み物を聞き、カリウムを多く含むので控えた方がよいものなどをアドバイスします。
人工透析の治療法
腎臓は体内のカリウムのバランスを調整する働きがありますが、腎臓が正常に働かないと、その重要な働きができなくなります。そのため、腎臓病の治療のために透析が必要になることがあります。透析は高カリウム血症の治療にもなります。