化学療法の前の運動について知っておくべきことを学びましょう。
最近、乳がんと診断された方は、運動を続けてもいいのか、始めてもいいのか悩んでいることでしょう。しかし、定期的な運動は、がん患者にとってさまざまな利点があります。オーストラリアの臨床腫瘍学会(COSA)は、運動はがん治療の一部と考えるべきというガイドラインを発表しています。
運動があらゆる段階のがん患者さんに有益であることを示す研究は何百件もあります。ステージ2の乳がんの女性を対象とした61の研究のレビューでは、有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせは安全であるばかりでなく、転帰を改善することが示されました。しかし、運動プログラムを始める前に、主治医に相談してください。主治医は、あなたの特定の状況に合わせた運動計画を立てるのを手伝ってくれます。
化学療法前と化学療法中の運動の利点
化学療法を開始する前に運動を始めると、治療にうまく対処でき、より早く回復できる可能性があります。できるだけ活動的になることで、手術による合併症を減らすことができるかもしれません。定期的な運動は、がんの診断による不安や苦痛に対処し、エネルギーを得て、夜よく眠れるようになることもあります。?
化学療法が進むにつれて、活動的になることが難しくなる場合があります。化学療法で体力が消耗している場合は、化学療法の前に運動しておくと楽になるかもしれません。
がん治療中に運動することの利点は、さらに以下の通りです。
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抗がん剤治療による筋力低下の減少
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痛みの軽減
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体重管理
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免疫系の抗腫瘍活性が強くなる
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スタミナアップ
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治療計画に積極的に参加できるようになる
がん治療中の運動指針
がん治療中の運動に関するCOSAのガイドラインが、がんでない人のガイドラインと同じであることに驚かれるかもしれません。毎週、少なくとも150分の中強度または75分の強度の運動をするようにしましょう。さらに、すべての主要な筋肉群を対象としたレジスタンス運動を週に2~3回行うようにする必要があります。
もちろん、化学療法を受ける前と同じようには運動できないかもしれないので、これらのガイドラインを心に留めておいてください。
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極度の疲労感、赤血球数の低下、筋肉の協調性の欠如がある場合は、運動をしないこと
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白血球数が少ない場合は、ジムなど公共の場での運動は控える
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乳がんが骨に転移している場合は、骨折のリスクが高いので、特に注意しましょう
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手足に痛みやしびれがある場合は、転倒の危険性が高いので、パートナーと一緒に行動するとよいでしょう