猫のジアルジアの原因・症状・治療法についてご紹介しています。
猫のジアルジアとは?
ジアルジアは腸内寄生虫です。小さな単細胞生物で、猫の腸に並ぶ細胞を破壊することで病気を引き起こします。ジアルジアにはいくつかの種類があります。猫の場合、主にジアルジア・デュオデナリスに感染します。
全猫の約4%がジアルジア寄生虫に感染しています。3歳未満の猫は、この感染症にかかりやすいと言われています。
猫はどうやってジアルジアに感染するのか?
ジアルジアは糞口経路で感染します。つまり、感染した猫が糞便中に排出し、猫が食物や水など環境中のシストを摂取することで感染するのです。
ジアルジアは2つの形態で存在します。栄養体(トロフォゾイト)が猫の腸内で病気を引き起こします。栄養虫はデリケートで、糞便として排出されるとすぐに死んでしまいます。もう一つの形態であるシストは、数ヶ月間環境中で生存し、摂取することで猫に感染します。
猫ちゃんがジアルジアに感染する可能性は、以下の通りです。
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感染した猫の糞便に触れること
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汚染された土壌の中を遊んだり歩いたりすること
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汚染されたケージ、クレート、トイレに入った後、体をなめること
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汚染された池、小川、水たまりの水を飲むこと。
猫のジアルジアの症状とは?
ジアルジアに感染した後、猫に目立った症状が出る場合と出ない場合があります。ジアルジアは腸の病気であり、症状は消化器系に関係します。感染した若い猫ちゃんには、以下のような症状が出やすいと言われています。
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下痢が通常の症状です。便は青白く、便に粘液や血液が見られることもあります。
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寄生虫が栄養を吸収する腸の細胞を破壊するため、体重減少が起こります。
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嘔吐が起こることがあります。
猫のジアルジアはどのように診断されるのですか?
通常、ジアルジア感染症は、猫の便を顕微鏡で調べることで診断されます。ジアルジアの栄養虫は、下痢の液状便で発見されやすい。シストは、完全に形成された便の中に見られます。
免疫蛍光法および酵素結合免疫吸着法(ELISA法)は、血清学的検査法です。これらは、便のサンプルに対して実施されます。ELISA は、猫のジアルジアの診断に信頼できる手法と考えられています。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)も便サンプルを用いて行われ、ジアルジアの亜型を検出することができます。猫のジアルジアの診断には、顕微鏡検査よりも信頼性が高いとされています。
猫のジアルジアの治療法とは?
ジアルジアは自宅で治療することができます。入院が必要なほど重症化することはありませんが、下痢には様々な原因があり、中には危険なものもあります。獣医さんに診てもらいましょう。
あなたの猫がジアルジア感染症にかかっている場合、獣医師は治療方針を処方します。フェンベンダゾールとメトロニダゾールの2種類の薬剤が望ましいです。獣医師は、どちらか一方または両方を5~7日間処方します。
もし、1匹の猫が頻繁にジアルジアに感染するようであれば、家中の猫に治療することを検討すべきです。
猫のジアルジアは自然に治るのか?
ジアルジアは、治療しなくても治る可能性があります。猫が腸からジアルジアを排除するか、無症状になるかです。
猫が自力で感染から非感染になることはありそうです。1歳未満の猫は、ジアルジアの感染率が高いです。高齢の猫はほとんどジアルジアに感染しておらず、自力で感染を排除できていることが示唆されます。
ジアルジアを自分で守るには?
猫に感染したジアルジアが人間に感染して病気を引き起こす可能性は低いですが、予防策を講じるのは賢明なことです。
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ガーデニング、感染した猫のトイレ掃除、毛皮の掃除の際には手袋を着用しましょう。
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自宅や愛猫のおもちゃ、寝具、フードボウルの清掃・消毒を行う。
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ペットと遊んだ後、特に餌の準備や食事の前には石鹸で手を洗いましょう。