猫のしこりは、無害なものと心配なものとがあります。その種類と、獣医さんに診てもらうべきタイミングについてご紹介します。
以上が、猫の皮膚にしこりができる一般的な原因です。
軽度の外傷
軽いケガでこぶができることがあります。自然に治ることもありますが、化膿する可能性もあります。注射を打った猫も、数日はしこりができることがあります。でも、それでも治らない場合は、獣医さんに電話してください。
膿瘍(のうよう
膿瘍は、猫が噛まれたり引っかかれたりした場所にできる、膿が溜まって腫れた皮膚の斑点です。膿瘍は赤く腫れて痛みを伴うことが多いので、猫ちゃんは飼い主さんに触られるのを嫌がることがあります。いつもより疲れているように見え、食事にもあまり興味を示さないかもしれません。温湿布をすると、少しは楽になるかもしれません。
膿瘍を治療するために、獣医は抗生物質と抗炎症剤を投与します。また、傷口を清潔に保つために、ぶつけた部分の周りの毛を刈ることもあります。膿瘍が深い場合は、手術が必要になることもあります。
腫瘍(しゅよう
脂肪性腫瘍
は、猫の体のどこにでもできる可能性のある脂肪腫です。脂肪腫は癌ではないので、猫の動きを妨げない限り、切除する必要はありません。脂肪腫は、高齢の猫や太り過ぎの猫によく見られます。
しこりが癌であるかどうかを調べるには、獣医が針を刺してサンプルを採取します。単なる脂肪性の腫瘍であれば、何もしないで様子を見るように言われるかもしれません。もし、腫瘍が変化したり、大きくなったりしたら、手術を勧めるかもしれません。
肥満細胞腫
は、猫の皮膚、通常は頭部や首筋に現れることもあります。かゆみを伴ったり、赤くなったりすることがあります。これらの腫瘍の約10%が癌化します。
線維肉腫(Fibrosarcoma
は、体のどこにでも発生する可能性のある、侵攻性のがん性腫瘍です。まれに、注射の副作用として起こることがあります。もし、あなたの猫が最近注射をした場所にしこりがあるようなら、獣医に知らせてください。獣医さんはすぐに診察してくれるはずです。
猫がかかる代表的ながんのひとつは
乳がん
乳腺腫瘍です。乳腺腫瘍は、猫の下半身、乳首の近くにでき、大きくなるまで気づかれないことが多いようです。この腫瘍の約85%はがんなので、異変に気づいたらすぐに動物病院へ連れて行き、診察してもらいましょう。
あなたの猫が何らかの癌にかかった場合、ほとんどの場合、腫瘍とその周囲の組織を取り除く手術が必要になります。獣医は、がんの動物を治療する獣医腫瘍学者を紹介してくれるかもしれません。
乳がんの場合、乳腺をすべて切除することが最善の治療となる場合があります。場合によっては、手術後に放射線や化学療法を勧められることもあります。
にきび
人間と同じように、猫にもあごや顔に黒ずみができることがあります。これは、皮膚の表面の下にあるとても小さな隆起のように感じられます。感染している場合は、気づきやすいかもしれません。獣医さんにニキビと言われたら、専用の洗顔料や拭き取り剤、薬を使って余分な皮脂を落としてあげるように言われるかもしれません。また、飲み食いするためのプラスチックの器も、猫ニキビの原因になることがあります。
ダニ
猫ちゃんが室内で過ごしている場合、思いもよらないかもしれませんが、室内飼いの猫ちゃんにはマダニが寄生することがあります。屋外で過ごしている犬や人間から、屋内に寄生することがあります。マダニが猫の皮膚に長く留まり、体内に埋め込まれると、しこりのように見えることがあります。
マダニであれば、獣医師が安全に取り除くことができます。その後、どうするかは獣医師と相談してください。
虫刺され
蚊、ハチ、スズメバチ、クモ、アリは、猫にもぶつかることがあります。患部が赤くなったり、腫れたりすることがあります。耳や鼻は他の部位より反応が悪いことがあります。冷湿布で痛みを和らげることができます。ペットが刺された場合、獣医が針を取り除いたことを確認する必要があるかもしれません。腫れを抑えるために、抗ヒスタミン薬やステロイドを使用することもあります。
ノミに刺されると敏感に反応する猫もいますが、盛り上がったこぶよりも、発疹や痛みが出る可能性の方が高いです。ノミを駆除するための治療薬を猫に与えるようにしましょう。
蚊に刺されないように、夏場の夕方から明け方にかけては、猫を室内に入れるようにしましょう。
猫の毛づくろいを日課にしましょう。そうすれば、猫の皮膚に何か異常が現れたときに、すぐに気づくことができます。大したことはないかもしれませんが、もしそうであれば、早く見つけて治療を受けさせることが大切です。