DMEは、糖尿病の人がかかる目のトラブルです。その原因と視力への影響についてご紹介します。
原因
DMEは、血糖値が十分にコントロールされていないときに発症します。高血糖が続くと、心臓など全身の血管や、目の奥にあり脳に画像を送る組織である網膜の細い血管に悪影響を及ぼします。
健康な血管がなければ、網膜は本来の働きをすることができません。
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と呼ばれるタンパク質を多く作ることで、体はそれを助けようとします。健康な目であれば、これは問題ではありません。しかし、ある種の疾患では、VEGFが多すぎると血管が弱くなります。やがて血管が破れ、血液や体液が網膜に漏れ出すことがあります。網膜は腫れて厚くなり、糖尿病性網膜症と呼ばれる状態になります。また、網膜の中心部にある黄斑部(シャープでクリアな視界をもたらす場所)も、漏れ出した血液によって腫れます。
浮腫」とは、医学用語で「余分な水分によるむくみ」を意味します。つまりDMEは、糖尿病が原因で黄斑に水分が溜まって腫れている状態なのです。
黄斑浮腫の主な原因は糖尿病です。しかし、白内障手術やその他の目の手術、黄斑変性症、ブドウ膜(目の中央部)の腫れ、網膜の静脈の詰まりや放射線によるダメージなど、他の理由でも起こる可能性があります。
糖尿病、がん、多発性硬化症の治療薬の中には、黄斑浮腫を引き起こす可能性のあるものがあります。
どんな人がかかるの?
DMEになる可能性が高いのは、次のような場合です。
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血糖値、血圧、コレステロールが高い状態が続いている。
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タバコを吸う
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活動的でない
DMEになる可能性が高いのは
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糖尿病網膜症を長く患っている方
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妊娠している
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アフリカ系アメリカ人またはヒスパニック系である
DMEの種類
大きく分けて2つあります。
- (※1)の場合
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局所性DMEは、液体が漏れている小さな点です。
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黄斑全体に液漏れや腫れがあるのが、「びまん性DME」です。
です。
びまん性DMEでは、視力が低下することがあります。
症状について
DMEがあっても、痛くないので気づかないこともありますし、視力の変化がわずかであったり、ゆっくりであったりするので、気づかないこともあります。
黄斑は、映画のスクリーンのように、光の焦点を合わせる部分です。黄斑の余分な液体と腫れは、その表面を歪め、物事が波打ったり、ぼやけて見えたりします。友人の顔を認識したり、本を読んだり、テレビを見たり、運転するのが難しくなるかもしれません。
片方の目だけにDMEがある場合は、このことに気づかないかもしれません。
黄斑は、色を見るのにも重要な役割を果たします。DMEがあると、色が薄くなったり、ぼやけたりすることがあります。