大人になってから始まる1型糖尿病:原因・症状・治療法

大人になってから始まる1型糖尿病の原因、症状、治療法について、医師が解説します。

症状の多くは2型糖尿病と似ているため、自分がどちらのタイプなのかを知るのは難しいかもしれません。しかし、その違いを知り、自分に合った治療を受けるために、現状を把握することが大切です。

原因について

1型糖尿病の原因について、医師は正確なことは分かっていません。遺伝子が関与している可能性があると考えられています。また、食生活やウイルス感染など、病気の引き金になるものがあるかどうかも調べています。

専門家が知っているのは、1型糖尿病になると、免疫システム、つまり細菌に対する体の防御機能に異常が起こるということです。膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンと呼ばれるホルモンが作られるようになります。

インスリンは、グルコース(砂糖)が細胞に入り、そこでエネルギーに変わることを可能にします。しかし、1型糖尿病の場合、体内でインスリンが作られません。グルコースは血流に蓄積され、長期的には、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

症状

もしあなたが1型糖尿病であれば、2型糖尿病の友人と同じような症状が出るかもしれません。あなたは、次のことに気づくかもしれません。

  • 極端に喉が渇いたり、お腹が空いたりする

  • 頻繁におしっこがしたくなる

  • 異常に疲れたり、弱ったりする

  • 急に体重が減った

  • 目がかすむなど、見え方に変化がある

  • 膣内イースト菌感染症になる

  • 口臭がフルーティーになる

  • 呼吸がうまくできない

時には、1型糖尿病で意識を失うこともあります。

大人になってから発症しやすいのは?

あらゆる人種や民族の人が1型糖尿病になる可能性がありますが、北欧系の人に最も多くみられます。

また、両親や兄弟姉妹のどちらかが1型糖尿病である場合、発症のリスクが高くなる可能性があります。

診断名

大人になってから1型糖尿病かどうかを見分けるのは、必ずしも容易ではありません。これにはいくつかの理由があります。

ひとつは、大人になってからだと、子供よりも症状が現れるのに時間がかかるということです。このため、特にこの疾患を専門としない医師にとっては、何が起こっているのかがわかりにくくなります。

また、1型糖尿病患者の多くは痩せ型で、体重も正常であるため、診断に戸惑うことがあります。2型糖尿病の人のほとんどは太っているので、医師は糖尿病を除外するかもしれません。

医師は、1型か2型かはわからないが、糖尿病かどうかを知ることができるいくつかの検査を提案するかもしれません。

糖化ヘモグロビン(A1c)検査。2~3ヶ月の平均的な血糖値を測定するものです。2回の別々の検査でA1c値が6.5以上であれば、糖尿病となります。

ランダム血糖値検査。一日のうち、ランダムな時間帯に血糖値を調べます。200mg/dL以上であれば、糖尿病のサインとなります。

空腹時血糖検査。朝一番の食事前に医師が行います。2回の検査で126mg/dL以上であれば、糖尿病となります。

これらの検査に加えて、医師は、1型糖尿病によく見られる特定の抗体について血液検査をすることがあります。

また、おしっこの中にケトン体、つまり脂肪の副産物が含まれていないかどうかを調べることもあります。もし、これらが検出された場合、あなたは1型糖尿病であると考えられます。

治療法

インスリンは体内で作られないので、治療計画では毎日インスリン注射をすることになります。また、血糖値をモニターする必要があります。

医師は、定期的に運動をするように勧めるでしょう。それは健康的な体重で滞在し、正常な範囲内の血糖値を維持することができます。

また、血糖値をコントロールするために、健康的で栄養価の高い献立を一緒に考えてくれることでしょう。

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