側頭葉発作の基礎知識について、専門医が解説します。
側頭葉発作(精神運動性発作)は、耳のすぐ上にある側頭葉と呼ばれる脳の領域での異常な電気的活動によって引き起こされます。この異常な活動により、運動、感覚、自律神経機能(心拍数や唾液分泌など)に一時的な変化が生じます。発作を起こした人は、注意力を保ったまま(単純発作)、あるいは意識を失う(複雑発作)ことがあります。
これらの発作は、多くの要因によって引き起こされる可能性があり、多くは先天性または構造性ですが、頭部外傷や高熱が原因であることもあります。多くの場合、特定できるような原因は見当たりません。発作は、生まれつきの脳の瘢痕組織によって引き起こされると考えられています。病気やけがの最中やその後に、単発の発作や発作の群れを経験することがありますが、その後発作は起こりません。発作が繰り返し起こる場合は、てんかんと呼ばれる慢性疾患となります。