心不全は、肝臓や腎臓、肺など全身に影響を及ぼします。心不全が引き起こす可能性のある合併症と、それを回避する方法についてご紹介します。
心臓の働きが悪くなると、体内の酸素が少なくなり、息切れ、足のむくみ、体液の蓄積などの症状が現れることがあります。
体は、心臓や脳に供給するための血液を確保しようとします。そのため、腎臓や肝臓などの臓器に供給される血液は少なくなります。十分な血液が不足すると、これらの臓器にダメージを与える可能性があります。
心不全を治すことはできませんが、治療計画に沿って管理することは可能です。薬、食事、運動、手術は、これらの問題を予防するために医師が提案する治療法のほんの一部です。
心拍リズムの異常
正常な心臓では、上の部屋(心房といいます)と下の部屋(心室といいます)が交互に収縮と弛緩を繰り返し、体中に血液を送り出しています。チカラが弱いと、これらの部屋が適切なタイミングで絞られないことがあります。心臓の鼓動が遅すぎたり、早すぎたり、不規則なパターンになることがあります。リズムが狂うと、心臓は十分な血液を体に送り出すことができません。
心房細動(AFib)は、心不全が引き起こす可能性のある異常な心拍リズムの一種です。心臓が拍動せずに震えたり、スキップしたりするようになります。
不規則な心拍は、血栓を引き起こすかもしれないあなたの血をプールすることができます。血栓は脳に移動することがあります。血栓が脳の血管を塞ぐと、脳卒中になる可能性があります。
心臓弁の問題
心臓には4つの弁があり、これが開いたり閉じたりすることで血液の出入りを保っています。損傷が悪化し、血液を送り出すために心臓がより強く働かなければならなくなると、心臓は大きくなります。大きさが変わると、弁が損傷する可能性があります。
腎臓の障害・不全
腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分をろ過しています。他の臓器と同様に、腎臓が正常に働くためには、安定した血液の供給が必要です。
必要な量の血液がなければ、血液から十分な老廃物を取り除くことができません。その結果、腎不全になる可能性があります。腎不全は、人工透析や腎臓移植で治療します。
また、腎臓病は心不全を悪化させることもあります。損傷した腎臓は、健康な腎臓ほど血液から水分を除去することができません。そのため、体液をため込むようになり、血圧が上昇します。高血圧は、心臓の働きをさらに悪くします。
貧血
体の組織に酸素を運ぶ赤血球が不足することです。貧血があると、体に十分な酸素が行き渡らないことがあります。腎臓はエリスロポエチン(EPO)と呼ばれるタンパク質を作り、体が新しい赤血球を作るのを助ける。心不全による腎臓の損傷は、体内で十分なEPOを作ることを妨げます。
肝損傷
肝臓は毒素を分解し、体外に排出します。また、食べ物を消化するための液体である胆汁を貯蔵しています。
心不全は、肝臓の働きに必要な血液を奪ってしまいます。心不全に伴う体液の蓄積は、肝臓に血液を送る門脈に余分な圧力をかけます。このため、肝臓に傷がつき、本来の働きができなくなることがあります。
肺の問題
傷ついた心臓は、肺から体内へ血液を効率よく送り出すことができません。血液が逆流し、肺の中の静脈の圧力が上がります。これにより、気嚢に液体が押し出されます。液体が蓄積すると、呼吸が困難になります。これを肺水腫といいます。
極端な体重減少・筋肉減少
心不全は、筋肉や脂肪の代謝に影響を及ぼします。末期には、体重や筋肉量が激減することがあります。筋肉が小さくなったり、弱くなったりすることもあります。
合併症の予防法
心不全は、治療しなければ時間とともに悪化する可能性があります。重症の心不全は、生命を脅かす可能性があります。
減量、健康的な食事、運動、薬などの治療により、心臓を保護し、健康を維持することができます。医師のアドバイスに従い、治療計画をしっかり立てましょう。心臓を大切にすればするほど、他の問題を抱える可能性が低くなります。