男性よりも女性に圧倒的に多い膝のケガとその予防法について、医師から詳しくご紹介します。
膝のケガは、特にスポーツをたくさんする人にはとても多いものです。膝関節を取り巻く靭帯、滑液包、腱のいずれかが傷害される可能性があります。また、関節を形成する靭帯、軟骨、半月板(半月板の複数形)、骨にも損傷を与える可能性があります。膝関節の設計が複雑で、体重を支える関節であることが、膝を最もよく痛める関節の1つにしている要因です。
また、関節炎は多くの人にとって、特に年齢を重ねるにつれて深刻な膝の問題になってきます。
医師はどのようにして膝の問題を見つけるのでしょうか?
医師は、以下の方法で膝の問題を見つけます。
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病歴を調べる
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健康診断
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痛む部分のレントゲン撮影
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痛みのある部分のCATスキャン(コンピューター断層撮影)をする
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痛みのある部分のMRI検査(磁気共鳴画像法)を行う
女性は男性よりも膝の怪我が多いのでしょうか?
はい、そうです。女性は、ACL(前十字靭帯)断裂のようなある種の膝の病気にかかる確率が、男性よりも2~8倍も高いのです。ACLは、膝を安定させるための靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫で弾力性のある帯状の組織)です。膝が左右や前後に動くのを防いでいます。
膝の怪我とエストロゲンは関係あるのでしょうか?
膝の怪我と女性の毎月のホルモンの変動には関係があるかもしれません。女性アスリートは、エストロゲンレベルが高まる排卵直前にACL断裂を起こしやすいという研究結果が出ています。しかし、なぜエストロゲンレベルが高いと膝を痛めることになるのか、医師にもわかっていません。
女性が膝を痛めないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
膝を痛めないための方法をご紹介します。
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運動の前後に脚の筋肉を "ウォームアップ"(ストレッチ)する。
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新しい運動を始めるときはゆっくり行う
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スポーツや運動の種類に合った、フィット感のある良い靴を履きましょう。
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膝への負担を減らすために、健康的な体重を維持しましょう。
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特定の運動(階段や坂道を歩く、固定式自転車に乗るなど)を行い、足の筋肉を強化する。