サルコイドーシスの症状について、医師が解説します。
サルコイドーシスの症状は、体の部位によって異なり、軽度、中等度、重度、あるいは症状がない場合があります。初発症状は漠然としたものが多く、以下のようなものがあります。
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疲労感
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発熱
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体重減少
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関節痛
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息切れ
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持続的な咳
肺は通常、サルコイドーシスが最初に侵される部位で、サルコイドーシス患者10人のうち9人が何らかの肺の病変を有しています。肺サルコイドーシスは、肺に瘢痕組織(線維化)が形成され、重症化することがあります。この合併症により、呼吸が妨げられることがあります。
その他の症状としては、皮膚の発疹や脚の赤い隆起(結節性紅斑)などがあります。サルコイドーシスの約20~30%は眼に炎症が起こり、充血や涙、内出血、腫瘤(しゅりゅう)を生じます。サルコイドーシスは、脳や神経、心臓、肝臓、関節、ホルモン分泌腺など、ほとんどの臓器を侵す可能性があります。
サルコイドーシスを特徴づける肉芽腫や細胞の塊は、時に血液中や尿中の高濃度のカルシウムと関連することがあります。尿中のカルシウムが多いと、腎臓結石になることがあります。
サルコイドーシスの経過も個人差があります。通常、体重減少や倦怠感などの全身症状がある患者さんは、軽症で発症します。息切れや皮疹などの症状がある場合は、より慢性的で重症のサルコイドーシスになります。
脳サルコイドは、脳、脊髄、末梢神経などの神経系を侵す疾患で、脳卒中と同様の症状が出ることがあります。また、めまい、混乱、難聴を引き起こすこともあります。
人種も関係するようで、白人は軽度の発症が多く、アフリカ系アメリカ人はより慢性的で重度の発症をする傾向があります。
サルコイドーシスについて、以下のような場合は医師にご相談ください。
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咳が止まらない場合
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突然、原因不明の発疹が出る
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突然の原因不明の体重減少が起こる
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慢性的な疲労感や体調がすぐれない