頭痛の原因はさまざまです。しかし、山の上にいるだけで、頭痛が起こる可能性があることをご存知ですか?高所頭痛の治療と予防の方法について説明します。
通常、海抜8,500フィート(約3,000メートル)から問題が始まります。この高さになると、全体の約4分の1の人が頭痛に悩まされるそうです。
原因
高所頭痛の原因は、はっきりとはわかっていません。高所へ行くほど酸素が少なくなり、体内のすべての組織に栄養が行き渡らなくなることがあり、これを低酸素症と呼びます。低酸素症は高山病の一部ではありますが、それが頭痛のような症状に関係しているかどうか、またどのように関係しているかについては、医師もまだよく分かっていません。
ただ、高所へ行けば行くほど、頭痛が起こる確率が高くなることは、専門家も知っています。しかし、徐々に体を標高の高い場所に慣らしていけば、その確率を下げることができます。例えば、海抜0.5mに住んでいる人が8,500mに登ると、すでに山の麓の5,000mに住んでいる人よりも頭痛が起こりやすくなるのだそうです。
また、山頂に登るスピードも重要です。同じ高さでも、数日かけてのんびりとハイキングするよりも、スキーリフトで8分かけて山頂に行く方が頭痛を起こしやすいのです。ランニングや登山、スキーなど、高いところで無理をすると、頭痛のリスクが高まりますので、ご注意ください。
症状について
中等度の頭痛は、一般的に標高8,500フィート付近で始まり、頭の両側が痛むことが多いようです。高度が上がるにつれて、あるいは咳をしたり、体を強く押したり、前かがみになったりすると、痛みが悪化することに気づくかもしれません。8,200フィート以下に戻ると24時間以内に頭痛が治まることも、高地が原因で頭痛が起こったことを示す手がかりとなります。
頭痛は高山病の最も一般的な兆候であり、他の症状がなくても起こることがあります。しかし、この病気には他の典型的な問題があります。また、疲労感、脱力感、めまい、吐き気、睡眠障害などを感じることもあります。
予防法
標高の高いところに向かう場合、高所頭痛を防ぐには、ゆっくり上ることです。特に体が酷使されている場合、1日に約1,600フィート以上上がると、体調を崩す可能性が非常に高くなります。
標高が高くなるにつれ、1日に12杯以上の水を飲むようにし、炭水化物の摂取量をカロリーの4分の3程度に増やすと効果的です。タバコやアルコールは、体が高地に慣れるのを難しくします。また、バルビツール酸や睡眠薬などの薬も同様です。不安な方は、薬について医師に相談してください。
治療法
高所頭痛や高山病全般の治療には、標高の低い場所に移動することが最も効果的です。重症の場合は、標高が低くなるまでの間、小さな容器に入れた酸素を吸入することが有効な場合があります。
高所頭痛を起こしやすい人は、高地に行く前にフロセミド、アセタゾラミド(ダイアモックス)、コルチコステロイドなどの薬を飲むと、頭痛を予防することができるかもしれません。これらの薬には医師の処方箋が必要です。
イブプロフェンやアスピリンなどの市販薬も、頭痛が始まる前と後の両方に効くかもしれません。片頭痛の薬であるスマトリプタンも人によっては効果があります。高所で頭痛が起こることがわかっている場合は、どのような薬が最適か、医師に相談してください。