踵の骨の裏側にカルシウムが沈着し、骨が突出した状態を踵骨棘といいます。X線検査では、踵の骨は1.5インチほど前方に伸びています。X線で確認できない場合は、"踵部棘症候群 "と呼ばれることもあります。
踵骨棘は痛みを伴わないことが多いのですが、踵の痛みを引き起こすことがあります。足底筋膜炎は、足の裏を走る繊維状の結合組織(足底筋膜)の炎症で、踵の骨と足の甲をつなぐ痛みを伴うことが多く、足底筋膜炎と関連しています。
踵の棘とそれに関連する症状の治療には、運動、カスタムメイドの装具、抗炎症剤、コルチゾン注射が含まれます。保存的治療がうまくいかない場合、手術が必要になることもあります。
かかとの捻挫の原因
踵骨棘は、踵の骨の裏側にカルシウムが蓄積することで発生し、その過程は通常、何ヶ月もかけて行われます。踵骨棘は、足の筋肉や靭帯の緊張、足底筋膜の伸縮、踵の骨を覆っている膜の裂傷の繰り返しによって生じることが多い。踵骨棘は、特にランニングやジャンプを多用するスポーツ選手に多く見られます。
踵骨棘のリスクファクターは以下の通りです。
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歩行異常により、踵の骨や靭帯、踵付近の神経に過度の負担がかかっている。
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ランニングやジョギング、特に硬い路面での走行
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靴の不適当な装着、特に適切なアーチサポートがないもの
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過度の体重や肥満
その他、足底筋膜炎に関連するリスクファクターは以下の通りです。
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年齢が上がるにつれ、足底筋膜の柔軟性が低下し、踵の保護脂肪パッドが薄くなる。
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糖尿病
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一日の大半を立ちっぱなしで過ごすこと
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短時間の身体活動を頻繁に行う
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偏平足またはハイアーチのどちらかである
かかとの捻挫の症状
踵の棘(とげ)は、多くの場合、自覚症状がありません。しかし、踵の棘が形成された部分に炎症が起こると、特に歩行時やジョギング、ランニング時に断続的または慢性的な痛みを伴うことがあります。一般に、痛みの原因は踵の棘そのものではなく、踵の棘に関連した軟部組織の損傷にあるとされています。
踵の棘や足底筋膜炎の痛みを、朝起きたときに足の裏にナイフやピンが刺さったような痛みと表現する人は多く、その痛みは後に鈍い痛みに変化する。また、長時間座ったままにしておくと、立ち上がるときに痛みがぶり返すこともあります。
踵の傷に対する非外科的治療法
踵棘や足底筋膜炎に伴うかかとの痛みは、安静にしていてもあまり反応しないことがあります。一晩寝てから歩くと、足底筋膜が急に伸びて、かかとが引っ張られるため、痛みがひどく感じることがあります。歩けば歩くほど痛みは軽減することが多いです。しかし、長時間安静にしていたり、広範囲に歩いたりすると、痛みが再発することがあります。
もし、かかとの痛みが1ヶ月以上続く場合は、医療機関に相談してください。保存療法を勧められるかもしれません。
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ストレッチ体操
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おすすめシューズ
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ストレスのかかった筋肉や腱を休ませるためのテーピングやストラップ
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靴の中敷きや装具
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理学療法
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ナイトスプリント
かかとの痛みは、アセトアミノフェン(タイレノール)、イブプロフェン(アドビル)、ナプロキセン(アリーブ)などの市販薬による治療に反応する場合があります。多くの場合、生体力学的なアンバランスなど、かかとやアーチの痛みの原因を機能的な装具で修正することができます。場合によっては、副腎皮質ホルモンを注射して、患部の炎症を和らげることもあります。
踵の棘に対する手術
手術以外の治療で90%以上の人が良くなっています。保存的治療で9~12ヶ月経過しても踵の棘の症状が治まらない場合は、痛みを和らげ、可動性を回復させるために手術が必要になることがあります。手術の手法は以下の通りです。
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足底筋膜のリリース
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棘の除去
また、術後は安静、氷、圧迫、足の挙上、手術した足に体重をかけるタイミングなどに関する勧告を守ることが重要です。場合によっては、手術後に包帯、スプリント、ギブス、手術用靴、松葉杖、または杖を使用する必要があることもあります。かかとの手術で起こりうる合併症は、神経痛、かかとの痛みの再発、患部の永久的なしびれ、感染症、瘢痕化などです。また、足底筋膜リリースでは、不安定性、足のけいれん、ストレス骨折、腱炎などのリスクがあります。
かかとの捻挫の予防
衝撃吸収性の靴底、硬いシャンク、サポート性のあるヒールカウンターなど、足に合った靴を履くこと、各運動に適した靴を選ぶこと、運動前のウォーミングアップとストレッチ運動、運動中のペース配分などで、踵の捻挫を予防することができます。
かかとや靴底が過度に磨耗している靴は履かないようにしましょう。太っている人は、体重を減らすことも、かかとの捻挫を防ぐのに役立ちます。