新しいペットを家に迎えたとき、そのペットを健康な状態でスタートさせる最善の方法の1つが、避妊・去勢手術です。
避妊・去勢手術は、ペットに医学的・行動学的な利益をもたらします。より大きな利益のためであれ、ペットのためであれ、メスのペットの避妊手術やオスのペットの去勢手術には多くの利点があるのです。
避妊・去勢手術はいつでもできますが、米国動物病院協会(AAHA)は、生後5カ月までに猫の避妊・去勢手術をすることを推奨しています。そうすることで、避妊・去勢手術のメリットを享受しながら、子猫が成長する時間を確保することができます。
犬の場合、AAHAは、成犬時の体重が45ポンド以下の小型犬は、発情期前の5カ月か6カ月に避妊手術を、6カ月までに去勢手術をすることを勧めています。成犬時の体重が45ポンドを超える大型犬は、生後9カ月から15カ月までに成長が終了したら去勢し、5カ月から15カ月の間に去勢する必要があります。
様々な要因によって異なりますが、獣医師が最適な時期を選択することができます。
メスのペットの避妊手術は長生きにつながる
生後3~6ヶ月の子猫に避妊手術をすることで、大きくなってから乳腺がんになるリスクをほぼなくすことができます。さらに、子猫の避妊手術は、子宮や卵巣に起こるさまざまな感染症やがんを予防します。
46万匹の猫と220万匹の犬を対象にした調査によると、避妊手術をした猫は避妊手術をしていない猫よりも39%、避妊手術をした犬は23%長生きすることがわかっています。猫と同様に、避妊手術をした犬は、特定の癌や、子宮蓄膿症(致命的な子宮の感染症)になる可能性が低くなります。
去勢したオスのペットはより健康的になる
去勢手術をした犬は、去勢手術をしていない老犬によく見られる精巣がんを発症することがありません。また、膵臓がんのリスクも低く、寿命は最大で18%延びます。
猫も去勢手術をすれば、精巣癌の可能性はなくなり、膵臓癌の可能性も低くなります。
去勢したペットは家庭でより幸せになる
去勢したトムキャットが長生きする理由のひとつは、家から迷子になったり、他の雄猫と喧嘩したりすることが少なくなることです。去勢手術をすると、テストステロンが分泌されなくなります。このホルモンは攻撃的な行動を引き起こすのです。
同じことが、去勢した犬にも言えます。交尾相手を探すために放浪し、車に轢かれたり、他の犬と喧嘩してしまったりする可能性が低くなるのです。
去勢したペットはお行儀がいい
犬や猫が去勢手術を受けると、攻撃的な行動をとることが少なくなります。また、家の中に尿をかけるなど、縄張りを示す行動も少なくなります。また、接触するものすべてにマウンティングしようとすることも少なくなります。
避妊手術をしたペットは発情しない
避妊手術をしていない場合、猫は生後6ヶ月ごろに発情します。発情期間は平均6日間です。発情期は平均して3週間おきに繰り返されます。発情期には、猫は非常に声が大きくなり、要求も多くなります。出血したり、尿をかけたりすることもあります。
犬は一般的に年に2回しか発情しません。また、発情期には出血や排尿が過剰になります。避妊手術をすることで、発情期やこれらの行動を防ぐことができます。
避妊・去勢手術をしても、ペットの体重は増えません。
ペットが太りやすくなるのは、人間と同じような理由からです。ペットが太る原因は、運動不足と食べ過ぎです。十分な運動をし、健康的な食事を適度に摂っていれば、健康な体を維持することができます。
お金を節約できる
ペットの避妊・去勢手術にはお金がかかります。しかし、多くの深刻な健康問題を防ぐことができるため、長期的にはお金を節約することができます。もし、費用がネックでペットの去勢・避妊手術ができない場合は、お近くの保護施設に問い合わせてみてください。多くの場合、低料金または無料のオプションが用意されています。
過剰な繁殖を防ぐ
毎年、何百万匹もの猫や犬が保護施設に収容されています。あなたのペットに去勢・避妊手術を施すことで、シェルターを必要とする動物の数を減らすことができます。これは、シェルターの資源を伸ばすのに役立ちます。
犬は人間の15倍の速さで繁殖します。猫の繁殖速度は45倍です。安楽死の割合は、避妊・去勢手術の選択肢がない地域の方がはるかに高いのです。