血液中にあるほとんどの薬は、母乳に移行します。ほとんどの薬には深刻なリスクはなく、母乳への移行は非常に低いレベルです。しかし、一部の薬は濃縮され、母乳中に薬の露出が多くなることがあります。
未熟児、新生児、医学的に不安定な赤ちゃんは、母乳中の薬にさらされるリスクが最も高くなります。6ヶ月以上の健康な赤ちゃんは、体内で薬を効率的に動かすことができるので、リスクは低くなります。
風邪薬やアレルギーの薬はどれが安全か知るには?
授乳中で薬を飲む予定がある場合は、まず医療機関に確認しましょう。漢方薬や高用量のビタミン剤、変わったサプリメントなど、不必要な薬の服用は避けましょう。
また、タイミングについても医師に聞いておきましょう。例えば、授乳後すぐに薬を飲めば、赤ちゃんがさらされる量を最小限に抑えられるかもしれません。しかし、薬によって母乳にピークが出るタイミングは異なります。
授乳中でも安全な風邪薬やアレルギーの薬には、次のようなものがあります。
-
ジルテック(セチリジン)は、授乳中の抗ヒスタミン薬として好ましいです。他の抗ヒスタミン薬も安全だと考えられていますが、これを裏付ける研究はそれほど多くありません。Allegra、Claritin、Xyzalなどがあります。
-
ザタドールなどの抗ヒスタミン剤は、目のかゆみや涙に効く目薬として販売されています。
-
鼻水には、生理食塩水の鼻腔洗浄液がよいでしょう。これらの洗浄液は、鼻腔内のアレルゲンを洗い流します。これは、生成された排水を減少させるのに役立ちます。
-
アフリン(オキシメタゾリン)点鼻薬は、授乳中でも安全に使用できる鼻の充血除去剤です。この薬は鼻腔からの吸収が悪いため、口から飲む充血除去剤のように母乳量に影響を与えることはありません。
-
フロナーゼとナサコルトは、副鼻腔の圧力や鼻づまりに効く点鼻薬です。母乳や赤ちゃんにも安全だとされていますが、効果が出るまでに数日から数週間かかることがあります。
-
タイレノール(アセトアミノフェン)は、赤ちゃんや母乳に安全で、軽度から中等度の痛みや頭痛に効果があります?
-
モトリン(イブプロフェン)は痛みと炎症の両方を和らげます。モトリンは体内で素早く処理され、母乳中に長く留まらないので、授乳中に好ましい抗炎症薬の一つです。
授乳中に避けた方が良い薬には、以下のようなものがあります。
-
ベナドリルのような抗ヒスタミン剤は、授乳に悪影響を及ぼすので、できれば避けた方がよいでしょう。このような薬は、大量かつ長期間使用すると、母乳の供給を減少させます。
-
スダフェッドは母乳の出を悪くするので、これもできれば避けた方がよいでしょう。
風邪薬とアレルギーの薬。注意すべき点
授乳中に飲む風邪薬やアレルギー薬を決めるときは、以下のことに注意してください。
-
その薬が赤ちゃんに与えるかもしれないリスク
-
お薬があなたの健康にもたらす効果
-
赤ちゃんに母乳を与えることで得られる総合的な効果
病気になり、母乳に影響を与える可能性のある薬を飲む必要がある場合、薬を飲む期間によっては、医師から一時的に母乳を止めるよう勧められることがあります。この場合、母乳育児に加えて搾乳を行い、冷蔵庫や冷凍庫に母乳を余分に保存しておくとよいでしょう。
授乳中に飲む必要がある薬が安全かどうかわからない場合は、医師と話す機会があるまで、搾乳した母乳を別の場所に保管しておいてください。
まれに、医師から母乳育児を永久にやめるように言われることがあります。母乳から赤ちゃんを離し、粉ミルクに移行する際には、医師の指導を受けることができます。
母乳への薬物移行を減らすためのヒント
風邪薬やアレルギーの薬が母乳に移行するリスクを減らすには、次のような方法があります。
-
鼻づまりには風邪薬やインフルエンザ薬の代わりに点鼻薬を使用するなど、別の方法で薬を服用する。
-
症状を管理するために、適切な最少量を使用する
-
母乳に含まれる薬の量を少なくするために、授乳直後や赤ちゃんが一番眠っている時間帯に薬を服用すること。
-
可能な限り、代替薬を選択する
-
数日間しか薬を飲まない場合は、搾乳して捨てること
母乳育児をしながら薬を飲んでいる場合、イライラ、眠気、哺乳不良、いつもと違う行動や気になることがないかなど、薬に関連した副作用がないか赤ちゃんの様子を観察しましょう。
授乳中に薬を服用する場合は、必ずかかりつけの医師に相談してください。