母乳育児は、ママにとっても赤ちゃんにとっても良い経験となるはずの自然なプロセスです。ママと赤ちゃんの絆を深めることができますし、母乳には成長期の赤ちゃんが必要とするすべての栄養素が含まれています。しかし、母乳を正しく与えるには、少しの練習と忍耐が必要です。
新米ママの多くは、母乳育児を始めたばかりのころ、乳首の痛みや不快感を経験するかもしれません。これは、赤ちゃんの位置、抱き方、吸い方などが原因です。乳首の痛みや不快感を和らげ、母乳育児がママにとっても赤ちゃんにとっても特別な経験となるように、いくつかの方法でケアすることができます。
母乳育児中の乳首のケア方法
授乳中は、定期的におっぱいや乳首の状態を確認する習慣をつけましょう。そうすることで、悪化する前にトラブルを発見することができるかもしれません。
定期的な乳房・乳首のケア
授乳中は、次のような手順でケアしましょう。
授乳のたびに、石鹸と水で手を洗いましょう。乳房や乳首を触るのは、清潔な手だけにしてください。
毎日、適切なサポート力のある清潔なブラジャーを着用しましょう。授乳中のブラジャーは、一般的に最も使いやすいものです。また、綿のブラジャーは通気性がよく、空気が循環しやすいのでおすすめです。
乳首に石鹸やシャンプーを使うのは避けましょう。石鹸は乳首の潤滑油を落としてしまうので、水だけで洗うようにしましょう。この潤滑油が、授乳中の乳首の乾燥やひび割れを防いでくれるのです。
授乳後、毎回、母乳を数滴、乳首につけます。乳首に潤いを与え、感染症を防ぐことができます。
授乳による乳首の痛み
授乳後に片方または両方の乳首が痛む場合は、赤ちゃんが正しく装着されていない可能性があります。これは、授乳中に乳首が痛くなる最も一般的な原因です。正しい姿勢を見つけるには、赤ちゃんを抱っこしながら、いくつかの異なる姿勢を試す必要があるかもしれません。
赤ちゃんが正しく装着されていれば、乳首が軟口蓋に当たって、痛みや不快感を感じることはないはずです。この姿勢を正すことで、乳首の痛みが治まりやすくなるはずです。
乳首が平らになったり、くさび形になったり、色が白くなったりするのも、赤ちゃんが正しくつかまっていないサインです。赤ちゃんが上手に乳首をつかめるようにするには、口を大きく開けるように軽くくすぐってあげましょう。乳首を赤ちゃんの鼻と上唇に向け、乳首だけでなく乳輪も口に入るようにします。
乳首の痛みのケア
定期的に乳房や乳首のケアをしているにもかかわらず、痛みがある場合は、自宅でできるケアをいくつかご紹介します。
授乳パッドが濡れたら交換する。プラスチック製のパッドはなるべく使用しないようにしましょう。
授乳後の乳首は拭き取らないようにしましょう。授乳後は、10~15分ほど自然乾燥させましょう。
アセトアミノフェンやイブプロフェンなど、痛みに効く市販薬を飲んでみてください。
乳首シールドは使わないようにしましょう。乳首シールドは、乳首を刺激し、乳房の密着度を高めることができません。
母乳を低圧で汲むと、乳首の回復に役立ちます。
授乳後、100%純粋なラノリンを綿棒で乳首に塗ると、痛みに効果的です。
赤ちゃんが必要とする時間だけ授乳させましょう。よくある誤解は、短時間の授乳で乳首の痛みを防げるというものですが、これは間違いです。
助けを求めることを検討する時期
もし、まだ痛みや痛みがあるようなら、助産師や育児相談員に相談するとよいでしょう。痛みは、不適切なラッチングが原因なのか、それとも他の原因によるものなのかを判断する手助けをしてくれるでしょう。ラッチ不良が原因の場合は、正しいラッチにするためのさまざまな姿勢やテクニックを教えてもらえます。
授乳時の位置が悪い以外にも、痛みはさまざまな要因で起こる可能性があります。
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赤ちゃんが舌小帯になっている可能性があります。これは、舌の下の組織である「小帯」が短く、舌の動きが制限されることで起こります。この場合、赤ちゃんがうまく哺乳できないことがあります。
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乳首の感染症です。
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湿疹、皮膚炎、乾癬などの特定の皮膚疾患は、授乳中に乳首の痛みを引き起こすことがあります。
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乳首を取り囲む血管が引き締まる「血管攣縮」。
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乳管が詰まる、または乳腺炎で、乳房に硬い結び目ができる。
ケアを受けることで、痛みの原因がわかるので、それを改善し、痛みのない健康な母乳育児を取り戻しましょう。