赤ちゃんが生まれたとき、頭蓋骨はとても柔らかい状態です。頭蓋骨の個々の部分がまだ融合していないため、産道を簡単に通り抜けることができます。赤ちゃんが生まれたとき、頭のてっぺんに柔らかいくぼみができることがあります。これは正常な状態であり、心配はありません。
出生時の赤ちゃんの柔らかい部分について
赤ちゃんが生まれると、頭に2つの柔らかい部分があることに気がつくかもしれません。一つは、頭蓋骨の前面上部にある隙間で、最も目立ちます。もうひとつは、後頭部に向かって小さくなっています。お子様やその大きさによっては、気づかないこともあります。
赤ちゃんの柔らかい斑点は、「フォンタネル」と呼ばれています。この軟口蓋のおかげで、生後1年の間に赤ちゃんの脳は急速に大きくなります。頭蓋骨や脳に損傷を与える可能性があるので、軟口蓋を押さないようにすることが大切です。
ソフトスポットはどのような形をしていますか?軟部組織が目立つのは、赤ちゃんが泣いたときに膨らんだり、赤ちゃんの心拍に合わせて上下に動いたりするためです。また、授乳や哺乳瓶を飲むときに、吸引の動きに合わせて軟部組織が動いているのが見えるかもしれません。
ソフトスポットはいつ消えますか?背中の軟部スポットは小さいので、通常は生後3カ月ごろに消えます。頭蓋骨の前面上部にある大きな斑点は、生後18ヶ月頃まで閉じることはありません。月齢が上がるにつれて、月ごとに斑点が小さくなっていき、ほとんど目立たなくなります。
月齢に応じた発育を確認するため、定期健診の際に医師が軟部スポットを診察することがあります。
赤ちゃんの頭蓋骨の発達に関する心配事
軟部組織 軟部組織が腫れている状態が長く続くようであれば、心配です。頭が腫れているサインかもしれません。脳の腫れが疑われる場合は、画像検査や血液検査で原因を調べるよう医師に依頼することがあります。
また、以下のような病気が原因で、軟部組織が大きくなっている場合もあります。
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ダウン症
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水頭症
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子宮内発育遅延
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早産
柔らかい部分がくぼんでいる場合は、脱水症状の可能性があります。赤ちゃんの頭が大きくへこんでいるように見えたら、授乳や哺乳瓶で飲んでいる量を確認してみてください。年齢にもよりますが、脱水はすぐに危険な状態になるので、医師による治療が必要です。
頭蓋縫合症 まれに、生まれてすぐの赤ちゃんは、頭蓋骨の融合が早すぎることがあります。これは脳の発達に影響を与え、赤ちゃんの頭の形が異常に見える原因となる可能性があります。
頭蓋癒合症の種類は以下の通りです。
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矢状縫合(さじょうそうごう)。矢状縫合は、頭のてっぺんを前から後ろに向かって走っています。発育の早い時期に融合してしまうと、頭が細長くなることがあります。頭蓋結合不全症で最も多いタイプです。
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冠状縫合(かんじょうしゅごう)。左右の耳から頭頂部にかけて縫合されています。この2つの空間は別々のものなので、片方が融合しても、もう片方は融合しないことがあります。片方の縫合部が早く閉じてしまうと、頭の片側が平らになってしまうことがあります。これは、頭の片側の顔の発達に影響を及ぼす可能性があります。
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両側性滑車骨膜症:耳から頭の中央にかけての隙間が両方とも閉じている場合、頭蓋骨が広く、短くなる可能性があります。
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扁平上皮骨粗しょう症。後頭部のラムドイド縫合は、後頭部を横切っているため、早く融合してしまうと後頭部が平らに見えることがあります。
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後頭骨縫合。後頭骨縫合は、鼻から頭頂部の矢状縫合まで伸びています。この部分の融合が早い場合、おでこが三角形になることがあります。また、後頭部の幅が広くなります。
赤ちゃんの発達について心配なことがあれば、かかりつけの小児科医に相談してください。小児科医はあなたの質問に答え、必要であれば赤ちゃんの検査をしてくれます。心配なことは早めに対処して、健康上の問題が大きくなる前に解決するのがよいでしょう。