十分な睡眠がとれないと、疲れが取れないだけではありません。睡眠時間が短いと、体重が増加し、さまざまな病状を引き起こす可能性があります。
同時に、太り過ぎや肥満であることは、以下のような睡眠障害のリスクを高めることに繋がります。
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睡眠中に呼吸が何度も中断される睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea
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寝つきが悪い、眠りにくい「不眠症
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横になっていると足を動かしたいという衝動にかられるレストレスレッグス症候群
睡眠不足が体重増加につながるのか、それとも肥満による身体的・代謝的な影響で熟睡できないからなのか、その理由は定かではありません。
しかし、体重を減らすとよく眠れるようになることが研究でわかっています。そして、十分な睡眠をとることで、減量計画がより効果的になり、全身の健康状態も改善されるかもしれません。
睡眠不足が体重増加につながる仕組み
睡眠時間が短すぎると、体重が変化する方法がいくつかあります。
食欲の変化 体内の2つのホルモンは、食欲をコントロールするのに役立っています。レプチンは、満腹になったことを体に伝えます。一方、グレリンは、空腹を脳に伝える働きをします。他のホルモンと同様、このホルモンの分泌は睡眠と覚醒のサイクル、つまり概日リズムと関係があります。
十分な睡眠がとれていないと、レプチンの濃度は下がります。つまり、食べる必要がないにもかかわらず、脳が「お腹がすいた」という信号を出してしまうのです。同時に、グレリンのレベルも上がるので、空腹を感じるようになります。
空腹感を感じると、ヘルシーなものではなく、脂肪分やカロリーの高いものを手にしてしまう可能性が高くなります。暴飲暴食を防ぐには、家の中にあるジャンクフードの量を制限することです。そうすれば、ヘルシーなスナックに手を伸ばす回数が増えます。また、コップ1杯の水を飲んで、それでお腹が満たされるかどうかを確認するのもよいでしょう。お腹が空いているとき、実は喉が渇いていることもあるのです。
間食が増える。起きている時間が長ければ長いほど、食事をする時間も増えるのは当然です。そのため、4回目の食事と呼ばれることもあります。しかし、そこまでいかなくても、1日を通して間食が増えるとカロリーが増え、体重増加につながる可能性があります。
何かをつまむ前に、本当にお腹が空いているのか、自分に問いかけてみてください。そうでなければ、食べる代わりに水を飲んだり、散歩に出たりしてみましょう。
運動不足 睡眠不足が続くと、疲れて散歩やジムへ行くのが億劫になり、運動不足になりがちです。
なかなか実行に移せないかも知れませんが、ソファーから立ち上がり、体を動かしてみてください。定期的な運動はダイエットに役立つだけでなく、寝つきを良くする効果もあります。普段から寝つきの悪い人は、就寝前の数時 間は運動しないようにしましょう。運動することで、体が活性化し、必要な休息を取るのが難しくなる可能性があります。
子供・睡眠・体重
大人と同じように、睡眠不足の子供も体重に問題がある場合があります。子供の健康にとって、適切な休息は栄養や運動と同じくらい重要です。そして、良い睡眠習慣は早くから身につけるべきものです。
1日の睡眠時間が12時間未満の幼児は、それ以上の幼児に比べ、3歳までに肥満になる可能性が2倍高くなります。3歳児の睡眠時間が10時間半未満の場合、7歳までに肥満になる可能性がほぼ2倍になります。
子供の睡眠を助けるために、就寝時間の約30分前に開始する落ち着いたルーチンを設定します。読書や音楽を聴くなど、静かな時間を過ごすことも大切です。就寝時間を守る。携帯電話やパソコン、テレビも寝室には置かないようにしましょう。
質の良い睡眠をとるために
体重が増えると、快適に眠れなくなることがあります。
大柄な人は横向きで寝た方が快適かもしれません。仰向けで寝ると、重力で体が圧迫され、呼吸がしづらくなります。また、横向きで寝るといびきをかきにくくなります。枕が気持ち良い場合は、枕を使用して体を支えてください。
マットレスの硬さは、体を支えるのに十分な硬さのものを選びましょう。いつもの寝姿勢で、頭と背骨が一直線になるような枕を選びましょう。
寝ている間に暑くなってしまう人は、マットレスや寝具に通気性の良い素材が使われているものを選びましょう。扇風機を使用し、サーモスタットを60~68度に設定する。