高血圧の方や、高血圧になることを心配している方は、ホルモン剤による避妊は避けた方がいいのかどうか疑問に思うかもしれません。答えは、「必ずしもそうではない」です。あなたの健康状態によります。ある種の避妊法は、注意事項を守れば大丈夫かもしれません。主治医に相談してください。何がベストなのか、一緒に考えましょう。
血圧と避妊の関係とは?
合成エストロゲンを含む避妊法は、血圧を上げる可能性があります。これらは、以下の通りです。
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ホルモン複合型避妊薬
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膣リング
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皮膚パッチ
高用量の避妊ピルは血圧を上昇させる可能性があり、低用量のピルは影響が少ない可能性があるという研究結果があります。
膣リングとホルモン皮膚パッチは血圧への影響が少ないかもしれませんが、確かなことを知るにはもっと研究が必要です。現在のところ、ホルモン剤配合の避妊ピルとほぼ同じリスクと考えられています。
ただし、1つだけ例外があって、それは「ドロスピレノン」というホルモンです。このホルモンはプロゲスチンと呼ばれるホルモン剤で、血圧をわずかに低下させる可能性があります。これは、ドロスピレノンが利尿剤(おしっこをたくさん出す薬)として作用し、エストロゲンの血圧上昇傾向を抑制するためだと専門家は考えています。
ピルの服用で血圧が上がった人の多くは、服用をやめてから3ヶ月ほどで血圧が正常に戻ることが分かっています。
エストロゲンが含まれていない避妊法は?
エストロゲンを含まないホルモン性バースコントロールは、プロゲスチンを含んでいます。これらは、以下の通りです。
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インプラント
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子宮内避妊具(IUD)
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酢酸メドロキシプロゲステロンデポ(DMPA)注射剤
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プロゲスチン単独ピル
高血圧の方に最適な避妊方法とは?
年齢によるところもありますね。35歳以下で、血圧がうまくコントロールされている場合、安全と考えられる選択肢は以下の通りです。
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コンドーム
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殺精子剤
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横隔膜
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子宮頸部キャップ
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銅製IUD
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レボノルゲストレル放出型IUD
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インプラント
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プロゲスチン単独ピル
のような非ホルモン性のバリア方式は、血圧や心臓病のリスクを上げる可能性は低いですが、失敗率も高いということを頭に入れておくことが大切です。予定外の妊娠のリスクと高血圧のバランスをとる必要があります。
上記のどの方法でも満足できず、血圧もしっかりコントロールできている場合は、エストロゲン含有量が35mcg以下の避妊ピルやホルモン注射を試してみるのもよいでしょう。ただし、避妊ピルを飲み始めてから2〜4週間後に血圧を確認し、上昇したら中止する必要があります。
また、35歳以上で血圧が十分にコントロールされている場合は、上記8つの選択肢のどれを使っても大丈夫です。どれも嫌だという方は、注意して注射を試してもよいのですが、エストロゲンを含む経口避妊薬は避ける必要があります。
血圧がコントロールできない(160/100以上)場合は、年齢に関係なく、非ホルモン性の選択肢にこだわるのがベストです。ただし、ホルモン剤のIUD、インプラント、プロゲスチンだけの避妊ピルは、注意して使用することができます。