テフは古くからある穀物です。テフには食物繊維をはじめ、たくさんの栄養素が含まれており、食生活に欠かせない食品です。
テフフラワーとは?
テフ(Eragrostis teff)は、アフリカのエチオピアとエリトリアが原産の穀物です。紀元前4000年~1000年頃に家畜化されたとされる古代穀物です。エチオピアの食生活では、テフを丸ごと主食としています。
テフは世界で最も小さい穀物です。粒は丸く、見た目はキビに似ています。粉にし、発酵させてインジェラという平たいパンにします。
テフにはたくさんの品種があります。品種によって、テフの粒は赤、象牙色、黒褐色などがあります。
テフは、以下のような様々な食品に使用されています。
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ビール
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スープやソースのとろみ付けとして
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お粥
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プリン
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焼き菓子
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パン及びフラットブレッド
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米の代用品として
テフ及びグルテン
小麦、大麦、ライ麦などの他の穀物とは異なり、テフはグルテンを含んでいません。そのため、セリアック病やグルテンに敏感な人に適しています。通常の小麦粉のように、グルテンを含む他の小麦粉の代用品として使うことができます。
セリアック病と診断される人が増えるにつれ、グルテンフリーの穀物への需要が高まってきました。そのため、テフの人気が高まっています。
テフ粉の栄養
小麦は、小麦粉になる際に精製されることが多い。その際、「ふすま」と「胚芽」と呼ばれる2つの層が取り除かれます。食べやすくなる反面、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているため、穀物の栄養素が失われてしまうのです。
テフの粒はとても小さいので、製粉の際にふすまや胚芽を取り除くことが難しいのです。そのため、テフ粉はほとんどの場合、全粒粉となります。
テフの栄養価は品種によって異なります。全粒粉のテフには、以下のような栄養素が含まれています。
タンパク質。全粒粉のテフは11%のタンパク質を含んでいます。これは小麦、トウモロコシ、大麦、ナタマメと同様です。テフ全粒粉のタンパク質は、ライ麦、ソルガムきび、玄米よりも多く含まれています。
アミノ酸。 テフはタンパク質が多いので、必須アミノ酸を多く含んでいます。タンパク質やアミノ酸は、組織を構成する成分として重要です。
特に、他の穀物には少ないリジンを多く含んでいます。リジンは体内で作ることができないので、食品から摂取する必要があります。リジンは、体内のエネルギー変換を助け、コレステロールを下げ、コラーゲンを形成し、体内のカルシウム吸収を助けると言われています。
食物繊維。テフは他の穀物よりも食物繊維が豊富です。これは、ふすまや胚芽が通常そのまま残っているためです。食物繊維をたくさん摂ることは、心臓病、腸の病気、腎臓病、2型糖尿病などの慢性疾患の予防に役立ちます。
ミネラルの話 テフは他の穀物よりもカルシウムと鉄が多く含まれています。鉄分の量については相反する報告がありますが、テフのパン100gには約3.3mgの鉄分が含まれています。これは1日の鉄分推奨摂取量の45%にあたります。
テフ粉の健康効果
腸の健康
テフは天然のグルテンフリーです。グルテンフリーの食品でよく問題になるのは、ビタミンやミネラル、栄養素が不足しがちなことです。テフは栄養素が豊富なので、安全でより栄養価の高い食品として、食生活に取り入れることができるかもしれません。
テフは食物繊維が豊富で、特に不溶性食物繊維が多く含まれています。このタイプの食物繊維は、腸内でほとんど消化されずに残ります。そのため、便が膨らみ、規則正しいお通じが期待できます。
テフに含まれる不溶性食物繊維は、腸内細菌のエサになります。これはプレバイオティクスと呼ばれています。腸内細菌の健康的なバランスは、健康維持に重要です。
高い鉄分レベル
鉄分は、体全体に酸素を運ぶのに役立ち、必須ミネラルです。テフを食べることで、十分な鉄分を摂取し、鉄分不足にならないようにすることができます。
ある研究では、テフを食べることで妊娠中の女性が鉄分の低下を防ぐことができたそうです。また、別の研究では、運動している女性はテフを食べることで鉄分濃度が向上したことが示されています。
テフ粉の健康リスク
テフにはたくさんの良い栄養素が含まれていますが、フィチン酸も多く含まれています。これは植物の化学物質で、その栄養素と結合して吸収を止めてしまうことがあります。テフを発酵させることで、フィチン酸をある程度下げることができます。
その他知っておきたいこと
テフの栽培と生産は非常に高価です。作物は通常、収量が少なく、加工にもお金がかかります。このため、テフを購入するのは高価になります。
テフは、ほとんどの食料品店で広く販売されているわけではありません。健康食品店やオンラインショップで探す必要があるかもしれません。