タンパク尿の人は、尿の中に異常に多くのタンパク質を含んでいます。この症状は、多くの場合、腎臓病の徴候です。
腎臓はフィルターであり、通常は多くのタンパク質を通過させません。腎臓病で腎臓がダメージを受けると、アルブミンなどのタンパク質が血液からおしっこに漏れ出てくることがあります。また、体内でたんぱく質が過剰に作られると、たんぱく質尿になることもあります。
腎臓病は初期症状がないことが多いです。おしっこのタンパク質は、最初の兆候の1つかもしれません。定期健康診断の尿検査で、医師がタンパク尿を発見することがあります。
尿蛋白の症状
タンパク尿になった人の多くは、特に初期や軽度の場合には、何の兆候も感じません。時間が経って、悪化すると、以下のような症状が出ることがあります。
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泡のようなおしっこ
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手足やお腹、顔のむくみ(浮腫)がある
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おしっこの回数が増える
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息切れがする
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疲労感
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食欲不振
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胃のむかつきや嘔吐
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夜間の筋肉痛
尿に含まれるタンパク質の原因
タンパク尿の原因には、一般的なものがあります。これらは以下の通りです。
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脱水症状
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炎症(Inflammation
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低血圧
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発熱
- 激しい活動
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高いストレス
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腎臓結石
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アスピリンを毎日服用する
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非常に低い気温
腎臓にダメージを与えるような状態でも、尿中のタンパク質が多くなることがあります。最も一般的なのは、糖尿病と高血圧の2つです。
その他、タンパク尿の原因となる深刻な状態には、以下のようなものがあります。
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狼瘡などの免疫疾患
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腎臓の炎症(糸球体腎炎)
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多発性骨髄腫と呼ばれる血液のがん
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妊婦がかかる子癇前症(しかんぜんしょう
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臓器にタンパク質が蓄積される(アミロイドーシス)
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循環器系疾患
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血管内溶血(赤血球が破壊される状態
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腎臓がん
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心不全
尿中タンパクの危険因子
尿蛋白が出やすくなる可能性のあるものには、次のようなものがあります。
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65歳以上
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腎臓病の家族歴がある
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アフリカ系アメリカ人、ネイティブアメリカン、ヒスパニック系、または太平洋諸島民系
肥満
横になっているときよりも、立っているときの方が尿にタンパクが多く出る人がいます。この状態を起立性蛋白尿といいます。
尿中タンパクの診断
尿検査と呼ばれる尿の検査で、おしっこに含まれるたんぱく質が多いかどうかがわかります。まず、コップにおしっこを出します。検査技師が、先端に化学物質がついた棒を浸します。棒の色が変わったら、タンパク質が多すぎるということです。この検査は、タンパク質の量を調べるために、何度も行う必要があるかもしれません。
また、検査技師は、顕微鏡でおしっこを見ます。腎臓に問題があることを意味する、あるはずのないものをチェックするのです。赤血球や白血球、結晶、細菌などがこれにあたります。
腎臓病の疑いがある場合、他の尿検査が必要になることもあります。また、医師は次のような指示を出すかもしれません。
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血液検査。特定の化学物質を測定し、腎臓の働きの程度をチェックします。
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画像検査。CTスキャンや超音波検査で、腎臓結石や腫瘍、その他の詰まりを発見することができます。
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腎臓の生検。腎臓の組織を採取し、顕微鏡で観察する検査です。
尿中のタンパク質の治療
タンパク尿は他の病気のサインです。そのため、治療法は、その原因を突き止めることによります。タンパク尿が軽度であったり、短期間しか続かない場合は、治療の必要がないかもしれません。しかし、腎臓病は腎不全に至る前に治療することが非常に重要です。
特に、糖尿病や高血圧をお持ちの方は、医師から薬を処方されるかもしれません。ほとんどの人は、2種類の血圧の薬のうち、どちらかを服用します。
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ACE 阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
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ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)