血液検査でALSを迅速に診断できる可能性が示される
By Cara Murez HealthDay Reporter
ヘルスデー・レポーター
2022年9月7日ウェッデイ(ヘルスデイニュース) -- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の疑いがある患者は、多くの人に残された貴重な時間を無駄にせず、近いうちにもっと早く診断を受けられるようになるかもしれないと、新しい研究が示唆している。
2020年、Brain Chemistry Labs社の科学者たちによって、マイクロRNA(遺伝物質の短いセグメント)に基づくALSの血液検査が開発されたが、血液サンプルの輸送と保管に、-80°Cに維持される精密なプロトコルが必要だった。そのため、多くの医師や神経科医がこの検査を利用することができなかった。
今回、同社、ダートマス大学神経学部、米国疾病対策予防センターの研究者らは、このような厳しい条件下で採取・管理されていない血液サンプルで、オリジナルの検査を再現することに成功したと発表している。
この試験は、米国国立ALSバイオリポジトリにある50人のALS患者の血液サンプルと50人の健康な「コントロール」被験者の血液サンプルを盲検化して比較することによって行われた。その結果、この新しい検査では、5つのマイクロRNA配列の遺伝的フィンガープリントが、ALS患者と健常者を正確に識別することが判明した。
筆頭研究者のSandra Banack博士は、「様々な研究者から様々な条件で採取したサンプルに対して、このマイクロRNA検査が有効であることに驚きました」と述べている。
同社のニュースリリースによると、医師らは現在、新しい血液検査の検証を行っており、ワイオミング州のブレインケミストリーラボ社は、この検査に関する特許を申請しているとのことである。
ALSはルー・ゲーリッグ病とも呼ばれ、神経系の不治の病である。現在、症状が現れてから診断がつくまでに1年以上のタイムラグがあります。また、約13%から68%の症例で不正確な診断が下される可能性があります。残念ながら、ALS患者の多くは診断後2年から5年の間に死亡しています。
この研究結果は、8月29日にJournal of the Neurological Sciences誌のオンライン版に掲載されました。
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米国国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)には、ALSに関する詳細な情報が掲載されています。