腱は、筋肉と骨をつなぐ体組織の一種です。腱が炎症を起こした状態、つまり痛みや腫れがある状態を腱鞘炎と呼びます。
手には、指を動かすための筋肉と骨をつなぐ伸筋腱と呼ばれるものがあります。足には、つま先を上げたり、足を曲げたりするための筋肉と骨をつないでいる伸筋腱があります。足の伸筋腱のいずれかが炎症を起こすと、伸筋腱炎と呼ばれる異常な状態の一種があります。
足の伸筋腱は、長趾伸筋、短趾伸筋、長趾伸筋、前脛骨筋と呼ばれています。
甲高の人はこの症状が出る危険性があります。反対に、歩いたときに足の内側から着地する人も要注意です。ランナー、ダンサー、スキーヤー、アイススケート選手などは、靴ひもをきつく締めるので、伸筋腱炎になりやすいかもしれません。
足の伸筋腱炎の症状
足の伸筋腱炎の主な症状は、足の甲の痛みです。靴紐のあるところにできることが多いです。走っているときや歩いているときに痛みを感じることがあります。
時には、傷ついたり炎症を起こしている伸筋腱に、目に見える腫れや隆起が見られることもあります。
足の伸筋腱炎の診断について
医師は、身体検査と病歴だけで腱鞘炎と診断することができます。しかし、痛みが他の疾患によるものかもしれないと医師が心配する場合は、X線やMRIの検査を行うこともあります。
足の伸筋腱炎の原因とは?
腱鞘炎の多くは、繰り返しの動作によるもので、時間の経過とともに発症します。しかし、突発的なケガで発症することもあります。
特に伸筋腱炎は、以下のような原因で起こることがあります。
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小さすぎる靴やきつい靴
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上り坂のトレーニングが多く、下り坂のトレーニングが少ない
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不安定な路面でのランニング
腱鞘炎を自宅で治すには?
伸筋腱炎のいくつかのケースは、自宅で治療することができます。患部の足を2~3日安静にします。腱を休ませるために、できるだけ足を使わないようにします。
足を休ませている間、2~3時間おきに20分ほど氷を当てます。
炎症を抑えるために、負傷した部分に伸縮性のある包帯を巻くか、装具を使用します。包帯や装具がきつすぎないように注意し、寝る前には外してください。
靴ひもを緩めたり、別の靴を履いてみたりして、効果があるかどうか確認します。また、活動に戻る前に、靴のベロの下にパッドを入れることもできます。
腱鞘炎を医師はどう治療するのか?
自宅での治療が2~3日経っても足に効かない場合は、医師に相談してください。
医師は、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDS) などの市販薬や処方箋入りの強力な薬を勧めるかもしれません。アスピリンとイブプロフェンが最も一般的なものの一つです。これらは内服薬と外用薬として利用できます。また、炎症を抑えるために、コルチコステロイド注射(ステロイド注射)をするように医師から指示されることもあります。
また、医師が多血小板血漿(PRP)療法を勧めることもあります。この治療法では、医師はあなた自身の血液を採取し、血小板と呼ばれる血液の断片を取り出し、その血小板を患部に注射します。専門家はまだこの治療法を研究中ですが、慢性的な腱の痛みの治療に有望であることは多くの人が認めています。
理学療法は、筋肉を強化し、伸筋腱を伸ばして痛みを軽減するのに役立つかもしれません。
上記の治療法を試してもまだ腱の痛みがある場合、医師はドライニードルを勧めるかもしれません。この処置では、医師が腱に針を刺し、さらなる損傷を食い止め、治癒を促します。
瘢痕組織が腱炎の原因となっている場合は、超音波装置で瘢痕組織を除去し、痛みを和らげることができます。
重度の腱鞘炎で、腱が骨から離れ始めている場合は、手術が必要な場合もあります。
伸筋腱炎を予防する方法
伸筋腱炎を予防するためには、次のようなことに注意しましょう。
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運動の前後には必ずウォームアップとクールダウンを行う。
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ストレッチを忘れずに
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徐々に運動を積み重ねる(低速から低強度まで)。
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行うことが分かっている活動やスポーツの前に、使用する筋肉を事前にトレーニングしておく。
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どんな運動でも、正しいフォームを身につける。
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定期的に運動する(週1回以上)。
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特に運動に慣れていない人は、自分の体の声に耳を傾けてみましょう。
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正しくフィットする靴を履く
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新しい靴に履き替えた後は、運動中の足の感覚に特に注意しましょう。
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足の痛みを感じたら、数日以内に医師に連絡するようにしましょう。