尿中濃度測定は、尿の比重を測定するものです。これは、腎臓が水分量のバランスをとり、老廃物を排泄する能力を測定するものです。尿中の水分量に影響を与えるいくつかの健康状態を診断する上で重要です。
尿の比重を知る
尿中濃度検査は、水分負荷検査、水分遮断検査とも呼ばれます。尿比重とは、電解質と尿の浸透圧のことです。医師は、検査前の飲食や服薬について具体的な指示を出します。これらは以下のようなものです。
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検査前に、医師から普段より多めに水を飲むように言われたり、点滴で水分を補給するように指示されることがあります。
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水を飲まないでください C 検査までの一定期間、一切の水分の摂取を控える必要がある場合があります。
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抗利尿ホルモン剤(ADH) C 尿を濃くする効果が期待できるお薬です。
尿比重測定のしくみ
まず、尿を採取し、すぐに検査します。医師または看護師が、色に反応するパッドを使ってディップスティックを採取し、結果を出します。尿比重計は尿に反応し、尿の比重によって色が変化します。
これにより、あなたの尿が濃すぎるのか、あるいは濃度が十分でないのかがわかります。より具体的な結果を得るには、サンプルをラボで評価します。この場合、あなたの尿の電解質と浸透圧がどのようなレベルであるかがわかります。
場合によっては、医師から24時間分の尿を採取するよう求 められることもあります。どのような検査であっても、医師の指示には注意しましょう。また、検査結果に影響するような、ガイドライン外のものを食べたり飲んだりした場合は、医師に知らせてください。
検査の準備
検査までの数日間は、普段と同じように食事をしましょう。医師からの指示以外の食生活の変更はしないでください。尿検査の前に、特定の薬の服用を止めるように言われることがありますので、服用している薬について医師に伝えてください。市販の薬や処方箋も含まれます。
医師が薬について心配しないのであれば、通常通り服用を続けてください。その他、CTやMRI検査で使用する色素が、尿比重検査に影響を与える可能性があります。その他の検査を実施した場合は、それぞれについて医師に伝えてください。
尿比重が健康に与える影響
尿比重検査は、多くの健康状態を診断するための検査で、主に中枢性糖尿病や腎性糖尿病などの診断に使われます。両疾患とも、体が過剰に渇くシグナルを発し、結果として排尿量が多くなります。
しかし、それぞれの症状で原因は異なります。下垂体や視床下部の損傷は、原発性中枢性糖尿病を引き起こします。腎臓の奇形は腎原性糖尿病を引き起こします。
尿の比重は、明らかに健康に悪いものではありません。この結果は、あなたの健康に害を及ぼす可能性のある他の健康状態を示唆しています。比重の正常値には個人差があります。尿の比重は、一般的に1.005から1.030の範囲内が正常と考えられています。
水をたくさん飲む人は、1.001が正常かもしれません。水分の摂取を控えている場合は、1.030より高い値でも正常な場合があります。医師は、あなたの具体的な症状、食習慣、飲酒習慣を考慮して、結果を評価します。
尿比重が狂っているサイン これらの健康状態はいずれも、電解質とも呼ばれる血液中のナトリウムとカリウムの量に影響を及ぼします。電解質のバランスが崩れている可能性があるサインは、以下の通りです。
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脱力感
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吐き気や嘔吐
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食欲不振
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筋肉痛がある?
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混乱した気分
尿比重のリスク
尿中の体液のバランスを崩す要因となる健康状態には、次のようなものがあります。
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心不全
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腎不全
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腎臓の感染症
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過度の発汗による脱水
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下痢や嘔吐
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腎動脈狭窄症、つまり腎臓の動脈が狭くなっている状態
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尿に糖分が含まれている
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抗利尿ホルモン不適正分泌症候群(SIADH)
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糖尿病性消耗性疾患?
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体が必要とする以上の水分を摂取する
どのような健康状態でも、治療せずに放置しておくと、後遺症が残ったり、命を落としたりすることがあります。心配なことがあれば医師に相談し、自分の症状を伝えましょう。健康状態の中には予防できないものもありますが、治療することは可能です。早期治療が生活の質を維持する鍵です。