双極性障害の治療におけるカルシウム拮抗薬の使用について、医師が解説しています。
カルシウム拮抗薬は、細胞内にあるカルシウムを出し入れする小さな孔(L型カルシウムチャネル)を塞ぎ、血管を広げるとともに、神経細胞の活動にも影響を与えます。これらの薬剤が気分にどのように影響するかは正確には不明ですが、少なくとも一部の双極性障害の患者さんでは、脳がカルシウムを使って神経細胞内の様々な機能を調節する方法が正しく機能していない可能性があることが研究で示唆されています。
双極性障害の治療薬として研究されているカルシウム拮抗薬には、以下のようなものがあります。
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ジルチアゼム
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イズラジピン
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ニモジピン
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ベラパミル
カルシウム拮抗薬の副作用
カルシウム拮抗薬は血圧を下げる作用があるので、治療中は血圧をモニターすることが大切です。血圧が下がると、めまいやふらつきが起こることがあります。ある種のカルシウム拮抗薬を服用した後に、頭痛が起こることがあります。このような頭痛は、しばらく薬を飲み続けると、徐々に消えていくはずです。頭痛が続く場合は、医師に相談してください。また、カルシウム拮抗薬の服用開始時に、歯ぐきの圧痛、腫れ、出血を報告する人もいます。定期的な歯磨き、フロッシング、歯茎のマッサージ、そして定期的な歯科受診は、この影響を軽減するのに役立ちます。他の薬と同様に、薬がきちんと効いているかどうかを確認するために、定期的に医師の診察を受けることが重要です。
カルシウム拮抗薬は、双極性障害の治療に従来から使用されている多くの薬剤に比べて、重篤な副作用が少ない傾向にあります。しかし、従来の双極性障害の治療薬ほど研究が進んでおらず、その有効性が確立されていないことを忘れてはいけません。
一般的なカルシウム拮抗薬の副作用は以下の通りです。
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心拍数の低下や心拍リズムの乱れ
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顔が赤くなる、頭がドキドキする、めまい、頭痛など
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脚のむくみ
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血圧の低下
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腕や脚のしびれ感
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脱力感
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便秘
妊娠している場合、または治療中に妊娠する可能性がある場合は、医師に相談してください。これらの薬が胎児に害を及ぼす可能性があるかどうかは分かっていません。
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