脳ヘルニアとは何か、発見する方法、治療法などをご紹介します。
原因
脳ヘルニアは、通常、重大で突発的な脳内事象が原因で起こります。このような事象には次のようなものがあります。
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脳の腫れ。脳の腫れは、はしか、おたふくかぜ、ポリオ、狂犬病などの感染症によって起こることが多いようです。しかし、ワクチンや現代医療の登場により、脳の腫れはあまり一般的ではなくなりました。
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頭部への傷害 頭部への鈍的外傷による出血、脳震盪、頭蓋骨骨折、血腫などがあると、脳ヘルニアになりやすいと言われています。
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脳卒中です。虚血性脳卒中(動脈の閉塞が原因)と出血性脳卒中(過剰出血が原因)のいずれも、脳ヘルニアを引き起こします。脳卒中は、脳細胞にストレスがかかり、ダメージを受けることで脳ヘルニアになります。
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脳腫瘍(のうしゅよう 転移性脳腫瘍(体の他の部分から発生するもの)、原発性脳腫瘍(脳の中で成長するもの)のいずれも、脳ヘルニアを起こすのに十分な圧力がかかります。
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膿(うみ)。通常、何らかの感染症によって、脳に膿が溜まることがあります。この膿が溜まって圧力がかかり、組織が移動してヘルニアが発生するのです。
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放射線治療。放射線治療は、しばしば脳を腫れ上がらせます。これは通常、短期間の腫れですが、放射線治療後に激しい頭痛や病気、発作が起こり始めたら注意が必要です。
脳ヘルニアの種類
脳ヘルニアは、脳組織がどこにどのように移動するかによって、5つのタイプに分けられます。この5種類の脳ヘルニアとは:?
ファルシン下ヘルニア。帯状回と呼ばれる脳の一部で起こります。帯状回とは、前頭葉のすぐ後ろにある脳の一部です。ヘルニアになると、帯状回がもっと深く、頭蓋骨の奥にある別の部分に押し込まれます。
経脳室ヘルニア。これは、側頭葉がテントリウムの下に押し込まれることで起こります。触角は、首の方にある脳の一部です。
中心ヘルニア。側頭葉に発生します。側頭葉は、脳の真ん中、脊髄の始まりの上に位置しています。中枢性ヘルニアの場合、側頭葉は、脳の中で最も背骨に近い部分である触角ノッチまで押し下げられます。
扁桃ヘルニア。脳のテントリア下領域で発生します。ヘルニアによって脳組織が押し戻され、頭蓋骨と背骨をつなぐ部分に入り込みます。
症状
脳ヘルニアの可能性があるサインには、次のようなものがあります。
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脈拍がおかしい、異常がある
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血圧が高い
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頭痛
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脱力感
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心停止
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意識喪失
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まばたきができない、ぐずぐずする、光に反応しない?
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呼吸ができない?
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瞳孔の拡張?
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脳ヘルニアが疑われる人がいたら通報を 脳ヘルニアがあるかどうか、また脳ヘルニアを見つけるために、医師は以下の検査を1つ以上行うようです。
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X線検査
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CTスキャン
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MRI
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血液検査
治療
脳ヘルニアは、非常に深刻な脳の病気です。治療しなければ、深刻な脳障害や死に至ることもあるのです。
脳のどの部分が侵されたかによって、体の機能が停止し始め、呼吸や血液循環などの基本的な機能が失われる可能性があります。脳ヘルニアになると、死亡する可能性もあるのです。
脳ヘルニアになった場合、医療チームはできる限り脳の腫れを抑えようとします。
ヘルニアの原因によって、いくつかの治療法があります。
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脳内の余分な液体を排出する
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腫れを抑える薬を服用する
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脳のむくみに特化した薬の服用
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気道にチューブを装着して呼吸数をアップさせる
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血液や血栓を分解する?
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頭蓋骨の一部を取り除いて内圧を下げる
防止
脳ヘルニアは、通常、未治療の病気や重度の頭部外傷が原因で起こります。偶発的に起こることが多いので、こうした事態を防ぐことは困難です。腫瘍などの重い病気や、過去に頭に大きな外傷を負ったことがある場合は、こまめに医者に行くようにしましょう?