猫のライム病は珍しい病気ですが、適時に治療しなければ深刻な問題に発展する可能性があります。
猫のライム病について知っておきたいこと
人間と同じように、猫もライム病にかかることがあります。猫のライム病のようなダニが媒介する病気は、適時に治療しないと深刻な問題に発展する可能性があります。
マダニが猫にライム病をうつすのはなぜ?
ライム病は、シカやネズミなどの小動物に付着するクロアシナガバチが持つ細菌(Borrelia burgdorfi)が原因です。この細菌は、それらの動物を病気にすることはありませんが、他の動物や人間に運ばれるとライム病を引き起こす可能性があります。ライム病は、特定の種類のマダニが、そのライフサイクルの特定の段階で、猫に与える可能性が最も高いです。
春になると、草むらなどにいるマダニが宿主にくっつきます。マダニに咬まれた宿主の体内では、ほとんどすぐにボレリア・ブルグドルフェリ菌が繁殖します。ライム病の初期症状は、噛まれてから早ければ4週間ほどで現れます。
猫がライム病にかかることはありますか?
簡単に言うと、猫はライム病に感染します。しかし、猫のライム病は実験室で見られるのが一般的で、自然界ではほとんど起こりません。ライム病の可能性はありますが、猫に感染することは稀です。ボレリア・ブルグドルフェリは猫に感染する可能性があるので、猫の飼い主の間では緊急の問題ではないにしても、感染の兆候とその経過についてはよく知っておく必要があります。
ライム病に加えて、猫は他のダニ媒介性疾患にもかかる可能性があります。以下のようなものがあります。
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ロッキーマウンテンスポッティドフィーバー
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ヘモバルトネラ症
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野兎病(Tularemia
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チトクスズーノーシス
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バベシア症
(ロッキーマウンテン斑点熱
猫のライム病の症状とは?
ライム病の猫には、必ずしも症状が出るわけではありません。また、次のような症状が出ることもあります。
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腎臓の病気
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頻尿や膀胱のコントロールがうまくいかない
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胃の腫れ
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呼吸困難
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触ると敏感に反応する
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リンパ節が腫れている
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発熱
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疲労感
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食欲減退
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筋肉や関節のこわばり、むくみ?
」となります。
暖かい季節に愛猫にこれらの症状が1つでもあるようなら、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
猫のライム病の治療法とは?
ライム病の治療法としては、ダニを駆除すること、あるいはダニに感染していることに気づいた場合、あるいは症状がある場合は、獣医師の診断を受けてください。このような場合、獣医師はあなたの猫に血液検査を行い、ボレリア・ブルグドルフェリ菌に対する抗体の上昇があるかどうかを確認します。
獣医は、あなたの猫に抗生物質を処方することができます。マダニが媒介する病気は、すぐに治療を受けた猫の方が、遅れて治療を受けた猫よりも完治する確率が高いという研究結果が出ています。また、感染症を治療しないまま放置しておくと、組織へのダメージが残る可能性があります。
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ライム病から愛猫を守るには?
ダニが発生しやすい地域に住んでいる場合、愛猫のリスクはより高くなります。このような場合は、マダニとの接触を防ぐ、あるいは減らすために特別な努力をしましょう。
猫のダニ媒介性疾患を予防するワクチンはありません。猫を屋外に連れ出すときは、安全な虫除けスプレーを使うとよいでしょう。猫は殺虫剤に敏感なことがあるので、猫に何かを使用する前に獣医師の助言を仰いでください。
獣医師は、首輪やスポットオントリートメントなど、その他の予防策を指導してくれるかもしれません。
猫と外で過ごした後は、ブラッシングをして、猫の毛にダニがいないか調べます。マダニを見つけた場合は、すぐにピンセットで取り除いてください。マダニはできるだけ皮膚に付着している部分の近くをつかみ、頭をつまむ程度にしてください。
愛猫をライム病から守るために、マダニは人間にも病気をうつす可能性があることを忘れないでください。マダニを探したり取り除いたりするときは手袋を着用し、素肌に触れないようにしましょう。