子供のOCDについて、その原因、症状、治療法等、必要な情報をお伝えします。
子どもの強迫性障害について知っておきたいこと
強迫性障害とは、望ましくない考えや心配事が繰り返し起こること(強迫観念)と、その強迫観念に対処するために行わなければならないと感じる行動(強迫行為)を伴う精神疾患です。
OCDに関連する強迫観念は、日常の不要な考えとは異なります。これらの強迫観念は、日常生活の質に影響を与えるほどの不安を引き起こし、それをコント ロールしたり、乗り越えることができません。強迫観念の例としては、以下が挙げられます。
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細菌が怖い、病気になるのが怖い
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誤って誰かを傷つけてしまうことへの恐怖
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自分や他人を傷つけてしまうのではないか(傷つけたくないのに)と思うこと
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性的な考えやイメージ
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物や持ち物を失うことへの恐怖
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物の偶数・奇数が気になる
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自分の行動が道徳的に正しいか間違っているか、極端に気になる
強迫的な行動は通常、他人には意味がないとしても、強迫的な恐怖や心配の否定的な結果を防ぐことを目的としています。特定の行動や儀式を行わなければ、何か悪いことが起こるかもしれないと感じるのです。強迫観念の例としては、以下のようなものがあります。
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オーブンのスイッチを切る、暖房を切る、ドアの鍵をかけるなど、出かける前に何度も家の中のことを確認する。
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集団の中にある物の数を繰り返し数える
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銭湯など、特定の場所や物を全力で避けるようになる
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特定の回数だけ手や体を洗う
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特定の物に触れたり、叩いたりする
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ちょうどいいと思うまで、物を整理したり置いたりする
子供の強迫性障害の症状
3歳の子供でもOCDを発症する可能性はありますが、ほとんどのOCDを持つ子供は10-12歳 頃からその兆候を見せ始めます。子供のOCDの症状は、教室や家庭での見え方によって、大人のそれとは異なることがあり ます。例えば、以下のような子供の発言から、子供が発症したOCDのサインに気付くかもしれま せん。
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私は大丈夫?」「本当にそれでいいのか? といった質問を繰り返し、安心感を求める。
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OCDの一部である考えや恐怖に対処することは精神的にも肉体的にも疲れると訴 える
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人、または神などの宗教的な人物に頻繁に謝る。
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一見ランダムに見えるラッキーワードやフレーズを言う?
また、以下のような子供の行動からOCDのサインに気付くこともあります。
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床から物を拾ったり、他の人が触ったものに触れたりするような、集団生活における特定の 行動を避ける。
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椅子や机、筆記用具などを手や足、体の一部で叩いたり、触ったりする。
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テストや課題を終えるのに時間がかかり、何度も確認する。
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忘れ物や間違いの訂正のために、何度も部屋に戻ってくる
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何度もトイレに行き、手を洗う
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授業中に気が散って、話題を変えることができない(特に、何かを完全に理解していない場合
子供の強迫性障害の原因
科学者達は、OCDの原因が正確には何であるかについて確信を持っていません。研究により、化学的不均衡や脳の他の部位が関与していることが示唆されています。
もし近親者にOCDを持つ人がいたり、愛する人の死や両親の離婚、新学期や引っ越しな どの人生の大きな出来事を最近経験した場合、その子供はこの障害を発症しやすいかもしれま せん。
インフルエンザやライム病のような感染症が、脳に影響を与える免疫反応を介して、突然OCDの症状を引き 起こすことがあります。
子供のOCDの治療
医師、精神科医、その他の精神衛生の専門家は、子供の考えや行動について質問するこ とによって、子供のOCDを診断することができます。一度正式な診断を受けると、医師はいくつかの異なる治療法を提示してくれます。
セラピーは子供のOCDの原因となっている考えや信念に対処することができます。認知行動療法(CBT)は、役に立たない思考パターンを特定し、ストレスに対処するため のより健康的な思考や行動に置き換えることに焦点を当てます。セラピストは、暴露と反応妨害と呼ばれる方法を通して、子供がゆっくりと恐怖にさらされるこ とで、その恐怖に基づく強迫観念や強迫行為を克服するのを助けるかもしれません。
医師はセロトニン再取り込み阻害剤(SRI)のような、OCDに関係する脳内化学物質の不均衡を 緩和するのに役立つ薬を勧めるかもしれません。これらの薬はOCDを取り除くことはできませんが、侵入的思考を軽減させることができ ます。もしOCDの症状が感染症や免疫系の問題と関係している場合には、医師は抗生物質やそ の他の薬剤を処方します。