くしゃみ、喉の痛み、鼻水......誰もが知っている風邪の初期症状。誰が、いつ、なぜ風邪をひくのか、医師が詳しく説明します。
くしゃみ、喉の痛み、鼻水--誰もが知っている風邪の初期症状ですが、おそらく最もよく知られている病気でしょう。これらの症状は、通常、ウイルス感染によって引き起こされます。風邪は通常1~2週間で治りますが、風邪が原因で医者にかかったり、学校や職場に行けなくなったりすることがあります。CDCによると、米国では風邪が原因で年間2,200万日の学校生活が損なわれています。
1年の間に、米国では10億人が風邪をひいていると推定されています。
子どもたちは1年に6〜10回ほど風邪をひくと言われています。子どもの風邪が多い理由として、保育園や学校などで子ども同士が密接に接触する機会が多いことが重要です。学校に通っているお子さんがいる家庭では、子ども一人あたりの風邪の回数は年間12回にもなります。大人の風邪の平均は年間2~4回程度ですが、その幅は大きくなっています。特に20〜30歳代の女性は、子供と接する機会が多いためか、男性よりも風邪をひく人が多いようです。60歳以上の高齢者は、平均して1年に1回以下の風邪しかひきません。
米国では、風邪は秋から冬にかけて多く発生します。8月下旬から9月上旬にかけて、風邪の罹患率は数週間にわたってゆっくりと増加し、3月か4月に減少するまで高い水準で推移します。この季節変動は、学校の開校や寒さのために室内で過ごす時間が長くなり、他の人からウイルスが感染する可能性が高くなることと関係があると考えられます。
また、相対湿度の季節的な変化も、風邪の流行に影響を与える可能性があります。風邪の原因となる最も一般的なウイルスは、湿度が低い時期(1年のうちで最も寒い時期)に生存しやすくなります。また、寒い季節は鼻の中が乾燥し、ウイルスに感染しやすくなります。