大腸内視鏡検査について、誰もが受ける必要があるのでしょうか? 知っておくべきことを医師が解説します。
何を調べるのでしょうか?
大腸内視鏡検査は、大腸がん(CRC)のスクリーニング検査です。大腸がんは、結腸または直腸に発生するがんです。どちらも大腸の一部です。大腸は食べ物から水分や栄養を吸収し、老廃物を貯めてウンチとなります。そして、大腸から直腸に移動して、体外に排出されます。
大腸がんの症状には、腸の習慣の変化(多くの場合、便秘)、便に血が混じる、腸が空になっていない感じがする、けいれんやガスが続く、などがあります。また、体重減少、鉛筆のように細い便、衰弱、疲労感などの症状が出ることもあります。しかし、症状が出る頃には、がんはかなり進行していることがほとんどです。
アメリカ癌協会によると、2020年には約15万人?が大腸癌と診断され、5万3千人?がこの病気で亡くなると言われています。大腸がんは、男女ともにがん関連死亡原因の3番目に多い病気です。しかし、早期に発見されれば、大腸がんは90%の生存率があると言われています。
CRCをスクリーニングするだけでなく、実際に大腸がんを予防できる唯一のスクリーニング検査のひとつです。大腸ポリープが癌になる前に見つけて取ることで、医師は後に癌になることを防ぐことができるのです。
検査について
大腸内視鏡検査では、医師は結腸と直腸全体の内部を見ることができます。大腸内視鏡と呼ばれるペン程度の太さの、柔軟で中空の照明付きチューブを使用します。先端に小さなビデオカメラがついています。医師はチューブを優しく結腸の中に押し込み、その途中で写真を撮ります。チューブを挿入している間は、大腸の中に少量の空気を送り込み、大腸の開口状態を維持します。医師は、十分な時間があれば癌になる可能性のあるポリープ(大腸の小さな成長)を探します。
そのため、患者さんは検査前に大腸をきれいにし、医師が内部をはっきり見ることができるようにしておくことが重要です。検査は30分ほどで終わります。
いつ受けるべきですか?
大腸がんになる人の多くは45歳以上なので、医師は45歳での最初の大腸内視鏡検査を勧めるかもしれません。しかし、近親者(親、兄弟、子供など)に大腸がんになった人がいる場合や、アフリカ系アメリカ人の場合は、もっと早く始めるように勧められるかもしれません(アフリカ系アメリカ人はこの病気にかかりやすいのです)。ただし、初回にポリープが発見された場合は別です。その場合、3年から5年以内に2回目の大腸内視鏡検査を受ける必要があるかもしれません。
大腸がんを発見する方法は他にもあります。
便潜血検査は、便に血液が混じっていないかを調べる検査です。これは毎年行う必要があります。
便中免疫化学検査(FIT)は、便に含まれるヒトの血液を抗体で検出する検査です。これも年に1回行います。
FIT-DNA検査は、FITと、便の中の変化した(癌化した)DNAを探す2つ目の検査を組み合わせたものです。1年から3年ごとに行われます。
CTコロノグラフィーは、X線とコンピュータを使用して、大腸全体の画像を医師に提供し、分析します。
S状結腸鏡検査は大腸内視鏡検査に似ていますが、直腸と結腸の一部のみを検査するものです。プライマリーケア医が行うことができ、鎮静剤を使用する必要はありません。ただし、事前に腸の準備をしておく必要があります。
ポリープが見つかった場合も、それを切除するために大腸内視鏡検査が必要になります。便のサンプルに血液が見つかった場合も同様です。だからこそ、大腸内視鏡検査は発見と治療を兼ねているため、ゴールドスタンダードと言われているのです。
大腸内視鏡検査を受けない理由で最も多いのは、医師から検査について言及されなかったというものです。もし、医師から言われなかったら、受ける時期が来ているかどうか聞いてみてください。
というわけで、もしあなたの担当医がこの検査を受けるように勧めているのなら、あなたはすでに先手必勝です。あとは、腸の準備をどうするかです。幸いなことに、世の中にはさまざまな準備方法があります。自分に合ったものを医師に確認してみてください。がん予防のために払う代償は小さい。
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