糖尿病予備軍と診断されたら? 2型糖尿病になるのを防ぐ方法を医師が教えます。
目標は、血糖値を糖尿病予備軍の範囲から外し、その状態を維持することです。
毎日の積み重ねが大きな違いを生みます。生活習慣を改善することは、薬を服用するよりもさらに効果的かもしれません。
まずは、以下の3つを変えてみましょう。
1. 余分な体重を減らす。
太っている人は、体重を減らすことが血糖値上昇を抑えるカギとなります。
体重を5~10%減らすだけで、血糖値が正常な範囲に戻り、糖尿病を回避できる、あるいは発症を遅らせることができるという研究結果が出ています。
目標達成のためには、食事量を制限し、カロリーを減らし、脂肪(特に飽和脂肪)、砂糖、炭水化物を多く含む食品を減らしましょう。
また、果物、野菜、低脂肪タンパク質、全粒穀物など、バラエティに富んだ食品を食べるようにしましょう。
2. 運動を習慣化する
活動的な生活を送ることは必須です。週5日、30分の有酸素運動(ウォーキング、サイクリング、水泳など心拍数の上がるもの)を目標にしましょう(1週間で150分)。さらに、少なくとも週に2回は、ウェイトリフティングやレジスタンスバンドの使用など、筋力トレーニングのエクササイズを行いましょう。
筋トレは筋肉をつけるので、血糖値を下げ、インスリン(血糖値をコントロールする物質)への体の反応を良くし、動いていない時でもカロリーを消費します。
3. タバコを吸っている人は、やめましょう。
喫煙は糖尿病と強い関連があります。喫煙者は、そうでない人に比べて2型糖尿病を発症する確率が30~40%高くなります。また、喫煙を続けている糖尿病患者は、心臓病や失明などの合併症を発症する可能性が高くなると言われています。ですから、タバコは早く捨てたほうがいいのです。
お薬が必要なとき
生活習慣を改善することは素晴らしいことですが、糖尿病予備軍の中には、薬物療法が必要な人もいます。
HDL(善玉)コレステロールが低い、トリグリセリド(血中脂肪の一種)が高い、親兄弟に糖尿病の人がいる、太っているなどの危険因子がある場合、医師はメトホルミンを処方することがあります。
メトホルミンを服用する場合は、医師によるフォローアップが必要です。また、健康的なライフスタイルを維持する必要があります。
今すぐ行動を起こし、必要であれば、医師や栄養士、パーソナルトレーナーなどの専門家に相談しましょう。