犬の痛烈な排尿:原因と治療法

犬が排尿時に痛みを感じる理由として考えられることを、医師が解説します。

愛犬を健康に保つために、愛犬の排尿痛の原因について理解し、どのような場合にすぐに獣医に診てもらうべきかを知っておきましょう。

犬の異常な排尿のサイン

愛犬の排尿時に何か異常があるサインには、以下のようなものがあります。

  • 緊張している

  • 排尿時の声出し

  • 触られないようにする

  • 尿が少ししか出ないのに、おしっこの回数が増える

  • 血や粘液の混じった尿が出る

排尿時に尿が数滴しか出ない、あるいは全く出ない場合は、すぐに獣医さんに連れて行く必要があります。尿が出ないということは、愛犬にとって深刻な病気や死につながる可能性があります。

犬の排尿障害:一般的な原因と治療法

犬の排尿痛の一般的な原因には、次のようなものがあります。

膀胱炎(ぼうこうえん

犬の膀胱は通常無菌の場所ですが、時に細菌が生殖器から膀胱に入り込み、感染や炎症を起こすことがあります。膀胱炎の症状には、排尿痛、一度に少ししか排尿しない、失禁(尿をためることができない)、血尿、頻尿、飲水量増加などがあります。まったく症状が出ない犬もいます。

単純性膀胱炎の治療は、抗生物質で、3~5日で効くものと10~14日で効くものがありますが、最初の数日で症状が改善することが多いようです。尿を培養して、どの抗生物質が一番効くかを判断します。再発を防ぐために、獣医師から処方された抗生物質は必ず全コース飲みきるようにしましょう。

尿結晶と尿結石

愛犬の尿に含まれる天然由来のミネラルが固まり、結晶や結石を形成することがあります。感染症、投薬、遺伝、食事、排尿回数、飲水量など、さまざまな要因でミネラルが固まりやすくなります。

尿路結石の症状は、結石が腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこにあるかによって異なりますが、排尿が遅い、痛い、排尿できない、血尿、嘔吐、疲労、腹痛、腎臓の痛みなどの徴候があります。

結石の治療は、結石の場所によって異なり、薬物治療、手術、食生活の改善などが行われます。結晶や結石が感染症によるものである場合は、抗生物質による治療も行われます。

前立腺の問題

腫瘍、嚢胞、去勢していない犬のホルモンによる肥大、感染症など、犬の前立腺肥大にはいくつかの理由があります。

前立腺の問題には、排尿時の緊張、血尿、失禁などの 症状があります。感染症が原因で肥大している場合は、水を飲む回数が増えたり、排尿回数が増えたりするなどの症状が出ることもあります。前立腺肥大の治療は、その原因によって異なります。

膀胱や尿道の腫瘍、瘢痕組織の発達、ペニスの骨折(まれ)、交通事故などの外傷など、犬の痛みを伴う排尿障害の一般的でない原因もあります。

尿サンプルを採取するための3つのポイント

あなたの愛犬の排尿痛の原因を診断するために、獣医はおそらく尿サンプルを必要とします。そのため、できれば途中で排尿させないようにしましょう。もし、獣医師が自宅で尿サンプルを採取することを希望している場合は、簡単に採取する方法をご紹介します。

  • ゴム手袋を着用する。

  • サンプルを採取する前に、愛犬が行き始めるのを待ちます。これは、サンプルが尿道の端からの細菌によって汚染されていないことを確認するのに役立ちます。

  • 排尿が始まったら メス犬の場合は、しゃがんだ状態で清潔なボウルやパイ皿を下に滑らせ、オスの場合は清潔な瓶を使い、流れの途中で受け止めます。スープ用のおたまも使えますが、おたまは再利用しないようにしましょう。時間や温度が尿サンプルに影響することがありますので、できるだけ早く獣医さんに持っていきましょう。

犬の異常な排尿を防ぐために

ペットの健康障害を防ぐには、定期的なケアが重要です。ペットもあなたと同じように、最高の状態を保つために年に一度の検査が必要です。

もし、あなたの愛犬が排尿の異常で困っているかもしれないと思ったら、まず、排尿の様子を注意深く観察することから始めてください。尿の流れは安定しているか、強いか、弱いか、それとも、ちょろちょろとしか出ないか。

次に、犬の生殖器を見てください。赤み、腫れ、ひっかいたり噛んだりした跡はありませんか?尿道口をしきりになめていませんか?その他、血尿や尿の濁り、尿を出すのに泣いたり苦しんだりする、痛み、発熱、尿に強い臭いがあるなど、尿路系に問題がある可能性があります。これらの症状や心配な症状が見られたら、すぐに動物病院に連れて行ってください。

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