犬のよだれかけや唾液のトラブルについて、種類や症状、治療法などを医師が解説します
ここでは、その原因と治療法をご紹介します。
繁殖
: ブラッドハウンド、ニューファンドランド、マスティフ、セントバーナードなどは、上唇やフエルトが緩く、よだれが多くなる犬種です。ハンドタオルを持ち歩き、ビブも用意しておくとよいでしょう。
口の中の病気や虫歯
唇の内側に歯石が付着していると、よだれが出ます。唇を耳側に引いてみてください。歯がコンクリートみたいになっていませんか?歯は茶色いですか?歯ぐきが赤く腫れていたり、出血していませんか?そのような場合は、専門家によるクリーニングと毎日のブラッシングを試してみてください。歯肉炎や口内炎、腫瘍などがないか、獣医師がチェックしてくれます。
熱中症です。
パグ、ボストンテリア、ボクサー、ブルドッグなどの鼻の低い犬種は、熱中症になりやすいと言われています。ただ、他の犬に比べてパンティングが上手ではないのです。よく考えてみると、犬は夏でも毛皮を着ているので、熱中症になることはあまりないのです。また、日向ぼっこをしていたり、水を飲まずに走っていたりする犬も、熱中症でよだれを垂らしてしまうことがあります。
そうならないためにも、常に新鮮できれいな水を用意し、日陰で涼めるようにしましょう。とても暑い日には、室内で飼い、運動を制限し、駐車している車の中に絶対に放置しないようにしましょう。熱中症が疑われる場合は、すぐに獣医に連絡し、危険な状態になる可能性があります。
乗り物酔いと不安
: 車に乗るのが注射のときだけというワンちゃんは、もちろん緊張したり吐き気をもよおしたりします。
また、不安の表れである口をあけたままのパンティングや呼吸は、よだれの原因になります。もっと快適にするために、どこにも運転せずに、後部座席にペット用ハーネスや犬用シートベルトを装着させてみてください。その後、ゆっくりと車道からバックで出て、ブロックの周りをドライブするように仕向けます。必要に応じてこの手順を繰り返すと、車酔いが楽になります。健康食品店で売られている生姜の錠剤も、解決策のひとつです。その他の治療法については、かかりつけの獣医に相談してください。乗り物酔いが続くようであれば、処方箋による投薬が必要になることが多いようです。
臓器疾患
: 肝臓や腎臓の病気などでは、よだれが出ることがあります。犬は年齢を重ねるごとに病気になりやすくなります。病気の早期発見・早期治療のために、獣医師は年に一度の健康診断を勧めています。
毒のある植物や動物
チューリップ、ツツジ、菊などの一般的な植物は、犬によだれを垂らすだけでなく、病気になる可能性もあります。食べさせないようにしましょう。毒のあるカエル、ヒキガエル、サソリ、クモなども舐めたり食べたりすることがあります。
胃が痛い。
犬は食べる前に考えることはあまりありません。テニスボールやソケットレンチなど、奇妙なものを胃袋から出してしまうことがあると獣医は報告しています。これは、吐き気や不快感、痛みを引き起こす可能性があります。危険なものを近づけないようにしましょう。もし、犬が食べてはいけないものを食べてしまったと思ったら、すぐに獣医に電話してください。
上気道感染症
: よだれが出るのは、鼻、のど、副鼻腔の感染症のシグナルである可能性があります。他のペットと一緒に暮らしている家庭や保護施設にいる犬は、リスクが高くなります。また、ストレスも要因のひとつです。感染症を適切に治療できるのは獣医師だけです。しかし、愛犬を守るための手段を講じることはできます。他のペットから離れ、室内で飼い、異なる動物を扱うときは手を洗う。
犬の行動を判断できるのは、あなた自身です。もし、1日以上様子がおかしい、ストレスを感じている、嘔吐している、食事や遊びがいつもと違う、などの場合は、獣医に診てもらうのが賢明です。